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JR北陸線・七尾線、日中の普通列車4割運休へ-部品工場が震災被害で

乗降客が行き交うJR金沢駅。同駅発着の普通列車も運休する

乗降客が行き交うJR金沢駅。同駅発着の普通列車も運休する

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 JR西日本金沢支社は4月2日から当面の間、日中に運転する北陸線(金沢-直江津間)と七尾線の普通列車の4割を運休する。一部の列車に必要な部品の製造工場が東日本大震災の影響を受け操業できなくなっているため。今後、さらに運休本数が増える可能性もある。

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 同支社によると、操業できなくなっているのは茨城県日立市と福島県浪江町にある部品メーカーの工場。ここでは、車両モーターに電気を送るための「直流電動機ブラシ」を製造していた。新型車両には必要ないが、旧型車両110両には不可欠な部品で、摩耗するため約300日しかもたない。従来の運行本数を維持すると、支社で保管する在庫が6月下旬に底を突くことから、比較的乗客に影響が少ない9時~17時の普通列車の本数を減らして対応することにした。

 北陸線の金沢-富山間では、上り・下りを合わせ31本中12本が運休する。富山-糸魚川間は24本中10本、糸魚川-直江津間は12本中4本。金沢-米原間は、日中の運転には新型車両を利用しているため平常通り運行する。

 このうち、学生の利用が多い金沢-津幡間では運休期間中、下校時間帯に合わせ、平日限定で臨時列車を1往復運転し、帰宅の足として利用してもらうことにしている。

 七尾線は17本中7本が対象となり、これにより9時台と11時台に七尾を発車し、金沢に到着する上り列車と、9時台に金沢から七尾に向かう下り列車がなくなる。

 北陸線の金沢-富山間を走る普通列車の1日あたりの平均乗降客数は約2万3,000人で、今回の運休措置により、このうち1,500人が影響を受けるとみられる。七尾線は1日あたり約1万200人の利用があり、同支社では影響は750人に及ぶと試算している。

 しかし、この33本を運休しても、ブラシの在庫は7月下旬にはなくなる予定。工場の操業再開のめどは全く立っておらず、同支社では海外からの調達やディーゼル車の利用も検討しているが、抜本的な解決策は見つかっていない。このまま部品調達ができない状態が長引く場合は、朝夕のラッシュ時も対象に含め、さらに運休列車を増やす考えだという。

 同支社では「お客さまにご迷惑をおかけするが、ご理解をお願いしたい」としている。

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