東日本大震災発生を受け、金沢市は3月14日、市役所など市内16カ所に募金箱を設置した。石川県も県民や企業などから義援金を受け付けるとともに、救援物資や人員を送っており、県内で支援の輪が広がっている。
市が募金箱を置いたのは、市役所(市民課と福祉総務課窓口)と各市民センター、各市民サービスコーナー、市企業局の計16カ所。市民が各種届け出や料金支払いなどのため足を運ぶ場所を選んだ。
市では阪神大震災や能登半島地震の際にも募金箱を用意したが、今回は国内で過去に例のない大規模地震であり、被災者が多数に上っていることから、これまでよりも規模を拡大。担当の福祉総務課職員が急きょ100円ショップで買い求めた貯金箱に「義援金」「金沢市」と記したシールを貼り、14日午前中、各所に配った。
このうち、市役所と泉野市民センター、駅西市民センターに置いた募金箱は即日、満杯になり、回収したところ、初日だけで合わせて約160万円の寄付があった。家と町を失って避難所で途方に暮れる被災者を思い、1万円札を投じる人が多かったという。
金沢市では2008年7月に発生した浅野川水害の際、全国の個人や団体、自治体から合わせて約8,200万円の義援金を受けたといい、不破哲市福祉総務課長は「金沢市としてできるだけのことをしたい」と話す。集まった義援金は日本赤十字社を通じて被災者支援に役立てる。
一方、石川県も14日・15日、県庁総合窓口など県施設13カ所に募金箱を設けるとともに、募金口座を開設した。被災地には給水車4台と緊急消防援助隊、消防防災ヘリコプター、県警広域緊急援助隊、医師と看護師でつくる災害派遣医療チーム「DMAT」などを派遣し、救援活動を手助けしている。毛布や放射能から身を守るための防護服なども送っており、15日にはさらに福島県に毛布400枚と原子力関連の資機材・救護物資、岩手県に簡易式トイレ1万2,000回分、小児用おむつ約9,100枚、大人用おむつ約700枚などを送った。