北陸農政局が2月22日、農林漁業の持続的で健全な発展・振興と農林漁村を担う地域の活性化を図るため、1次産業に新たな付加価値を与える「6次産業化」に関する説明会と個別相談会を開き、農林漁業や食品産業の関係者ら約300人が参加した。
会場では、地域資源の活用と農林水産業者による事業の多角化、高度化への取り組みが有効とする「6次産業化」の概要を紹介し、国の支援制度について説明した。
「6次産業化法」は、農林漁業者が農林水産物やバイオマスなど副産物の生産や加工・販売を一体に行う「総合化事業計画」と、農林水産物や新商品の生産や販売の高度化に資する研究開発とその成果の利用に関する「研究開発・成果利用事業計画」を2本柱とし、これらの事業計画が認定されると法律に基づくさまざまな特例措置を受けることができる。
北陸ではすでに、地域資源のハトムギを有効活用した「ハトムギ茶」の開発のほか、有機栽培の大豆や大麦を豆腐やみそに加工しネット販売に取り組むことなどで売り上げを伸ばした事例もあるという。
当日、北陸農政局長の角田豊さんが「北陸には資源や環境など『地域の宝』が多くあり、十分に活用することで活性化につなげてほしい」とあいさつし、その後、農林水産省6次産業化推進室長の川野豊さんが制度の概要を説明し、「事業の多角化には企画力が必要、新たに創設された6次産業化プランナーによる専門的なアドバイスも活用してほしい」と呼びかけた。その後、個別相談会の場も設けられた。
同局では、6次産業化による農山漁村の活性化に向けた「地域農業交流セミナー」(3月7日、13時~17時、石川県地場産業振興センター)も予定するなど、今後さらなる周知を進める。