石川県立伝統産業工芸館(金沢市兼六町、TEL076-262-2020)で1月4日、県内の若手表具師7人が技と感性を競う企画展「『七人十色』展―屏風(びょうぶ)の中のモダンと正統」と、竹工芸作品を集めた「『籠める』-想いを編む-」が始まり、来場者が工芸の奥深さに触れている。
「『七人十色』展」に出品しているのは30~40代の表具師。会場には、びょうぶと風炉先(ふろさき)合わせて9点が並べられた。どの作品にも伝統的な技法が使われており、小松市在住で、2001年の全国技能グランプリに石川県代表として出場した岡田正さんは、梅の枝や木を煮込んだ水で染めた和紙・布を用いて、新春らしい淡い桃色の風炉先を製作。加賀市在住で、1999年の同グランプリに県代表として参加し、準優勝した中野真吾さんは、墨染めした二俣和紙に銀箔(ぱく)で幾何学模様の型置きを施した、黒白のコントラストが鮮やかなモダンな作品を出品した。
併せて、びょうぶと同じ素材で表装された椅子3脚も展示され、来場者が座ったり、手で触れたりして和紙のぬくもりを感じ取っている。1月14日からは、7人が共作したびょうぶなど4点も加わる。
「籠める」は能美市生まれの竹工芸作家、本江和美さんの作品展。市松模様の文箱や基本的な「四ツ目編み」で完成させた衣装箱、小菊を思わせる編み目の盛籠など13点を展示している。
1月29日には、出展している表具師が講師を務める「表装裂(ぎれ)を使ったポストカード・ワークショップ」を予定。開催は10時~と13時~で、1枚につき300円の材料費が必要。予約は不要。2月12日14時からは本江さんの指導で「茶杓(ちゃしゃく)づくり」を行う。材料費5,250円が必要で、定員は5人。申し込みは同7日まで、同館で受け付ける。
開場時間は9時~17時。木曜休館。入場料は、大人(18歳以上)=250円、小人(17歳以下)=100円、65歳以上=200円。両展とも3月2日まで。