金沢市が7月17日から土曜・日曜・祝日限定で実施していた金沢港~JR金沢駅間のレンタサイクルシステム社会実験「駅・みなとサイクル快遊(かいゆう)」が10月31日、終了した。11月1日に同市が集計したところ、期間中の利用者数は延べ118人で、当初予想の500人を大きく下回った。
金石駐輪場に用意された貸し自転車。最終日の10月31日は1台の利用もなかった
市では、旅行客や市民らに金石・大野・金沢港周辺地区のまち巡りを気軽に楽しんでもらおうと、環境にもやさしい自転車に注目。レンタサイクルシステムの本格実施に向けて課題を探るため、社会実験を実施してきた。期間中、市が回収した放置自転車30台を同駅西口広場近くにある北陸鉄道レンタサイクル(金沢市広岡1)と、金沢港いきいき魚市(無量寺町)、金石駐輪場(金石西3)の3カ所に配置し、1台1日500円で貸し出していた。
同市のまとめによると、計36日間の利用者数は延べ118人で、全く利用のない日が10日間あった。利用者の内訳は、男性が約90人で、年代別では40代が27人と最も多く、50代26人、30代22人が続いた。県外からの旅行者はほぼ半数の53人で、金沢市内在住者は45人だった。貸し出し・返却場所は、北陸鉄道レンタサイクルが最も多かった。
利用目的・理由などはまだまとまっていないが、期間途中の9月12日時点で集計したアンケート調査結果によると、8割が観光を目的にしたもので、半数が「(同社会実験がなければ)金石・大野・金沢港周辺地区に行かなかった」と答えていた。
市では今後、期間後半のアンケート結果も加え、利用が伸びなかった原因を分析し、地元の金石・大野まちづくり協議会の意見も聞きながら、来年度以降の方針を検討する。
市歩ける環境推進課の小村正隆担当課長補佐は「詳しい分析はアンケート調査結果を見てからだが、7月半ばから例年よりも暑い日が続いたことに加え、金石・大野地区の観光情報が少ないため旅行客の関心を集めることができず利用が少なかったのかも」と推察する。