韓国の全州市の作家が手掛けた韓紙(ハンジ)工芸作品を展示する「第9回全州市・金沢市姉妹交流 金沢市韓紙工芸作家招待展」が現在、金沢21世紀美術館(広坂1)の市民ギャラリーで開催されている。
金沢市と、姉妹都市である韓国の全州市は2002年以降毎年、両市の伝統工芸品を紹介する展示会を交互に開催している。今回は韓紙工芸作品37種類約110点が並べ、開会に合わせて作家ら20人が金沢市を訪れた。
7月21日の開会式では、山出保金沢市長が「両市の交流をリードしたのは紙の文化だったと思う。韓国と日本の異質な文化を入れ合うこと、認め合うことで、互いに伝統文化の進展を図っていきたい」とあいさつ。全州市からの訪問団の団長を務める李相七韓紙文化振興院理事長は「展示したのは、韓国の作家の魂が入った素晴らしい作品ばかり。今回の展示会が両国と両市の友情と相互理解の場となることを期待する」と金沢市民らに鑑賞を呼び掛けた。山出市長と李理事長らは引き続きテープカットを行い、招待展開催を祝った。
韓紙は金沢の二俣和紙と同じく主にコウゾを原料にして作られる紙で、厚く丈夫である点が特徴。戦争の際の防護服や、伝統家屋・マンションの床の材料としても用いられてきた。最近では、工芸品だけでなく、靴下や洋服の素材としても使われているという。
今回、出品されたのは、女性用の礼服や色鮮やかな女児韓服、河回(ハフェ)村の愉快な仮面踊りや市場に向かう人たちの様子を人形で表現した作品など。このほか、市中で流通している靴下やネクタイ、子ども服も展示され、来場者は韓紙の奥深さに触れている。
開場時間は10時~18時(最終日は17時まで)。入場無料。8月1日まで。