韓国映画「息もできない」-金沢・シネモンドで先行上映

ヤン・イクチュンが監督・主演・製作・脚本・編集を手がけた長編デビュー作「息もできない」

ヤン・イクチュンが監督・主演・製作・脚本・編集を手がけた長編デビュー作「息もできない」

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 第10回東京フィルメックスで、史上初となる最優秀作品賞(グランプリ)と観客賞のダブル受賞を果たした話題の韓国映画「息もできない」の先行上映が5月9日、シネモンド(金沢市香林坊2 KOHRINBO109 4階、TEL076-220-5007)で行われる。

「息もできない」の一場面

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 同作品は、父への憎しみを抱きながら取り立て屋として社会の底辺で生きるサンフンと、家族とのしがらみの中で傷ついた心をかくした勝ち気な女子高生ヨニの切ない魂の求め合いを描き、プサン国際映画祭でワールドプレミア上映されるや観客・批評家の熱狂を呼び、ロッテルダムをはじめ世界の映画祭・映画賞で25を超える賞に輝いた。日本ではシネマライズ(東京都渋谷区)で公開後、2週目に入って興行成績が第1週目の150 %を超えた。

 監督はインディーズ映画を中心に俳優として15年以上のキャリアを持つヤン・イクチュンさん。同作の舞台となっているような貧しい地域に生まれ、自身が家族との間に問題を抱えてきた。「(家族関係の)もどかしさを抱いたままでは、この先生きていけないと思った。すべてを吐き出したかった」という切実な思いから脚本を書き始め、自宅を売り払ってまで資金を集め、製作・監督・編集・主演をすべて自分で手がけた。

 シネモンド代表の土肥悦子さんは「打ち合わせもリハーサルも行わずすべてワンテークで撮影したことで、役者自身が背負っているものや、本物の感情が引き出されている」と同作が持つ鮮烈な力の源泉を説明する。

 殴るけるの無法な手段で借金を取り立てるサンフン。オープニングから激しい暴力シーンが繰り返される。しかし土肥さん自身が初めて作品を観た後に心に残ったのは、暴力描写ではなく、「監督の『叫び』にも似た切実な思い」だったという。「人を動かすのは、人の切実な思い。それならシネモンドはこの傑作をより多くの方に見てもらうために動こう」という気持ちで先行上映を決めた。

 先行上映は5月9日15時30分~。先着50人で要予約。料金は、一般=1,500円、学生=1,300円、シニア・会員=1,000円。本興行は5月29日より3週間を予定。

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