ファッションストリート構想に暗雲-金沢都心で空き店舗急増

繁華街のにぎわいに水を差す空き路面店のビル

繁華街のにぎわいに水を差す空き路面店のビル

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 金沢のメーンストリートである武蔵-香林坊-広坂-片町で、商業ビルの路面店の空床が増加している。一昨年のリーマンショックの影響から県外資本の投資の足踏みが依然続くことが背景にあり、2014年度の北陸新幹線金沢開業に向けて金沢市が推進する「ファッションストリート」構想にも暗雲が垂れ込める状況だ。

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 同かいわいにある商業ビルで1階の路面店が空床となっているのは、今年3月末現在で18に上っている。金沢市が空床対策として力を入れるオフィス助成制度の第1号となった上堤町の婚礼関係のショールームも、6月末で閉店し郊外に移転の予定だ。

 このほか県外資本が昨年2月、南町に建設したオフィスビルはテナントが確保できず開業できない状態。別の県外資本が取得した香林坊の旧農林中央金庫跡地の再開発も停滞したままになっている。

 民間調査機関のデータによると、今年1月~3月の金沢市のオフィス空室率は25.5%に上り、全国的にもワーストの水準にあるという。リーマンショック前は、北陸新幹線の開業効果をにらんで県外資本の積極的な投資が目立った分、その反動も大きい。

 金沢市では、ファッション産業の振興と都心軸活性化を図る観点から、「かなざわファッションストリート創出事業補助制度」を2007年度スタートさせた。高級ブランド店や工芸品店などを対象に、同かいわいでの出店者に家賃で年間最大1,000万円(2年間)、改装費で最大2,000万円を補助するものだが、これまでの利用は6件にとどまる。

 オフィス助成制度ともども、制度利用面での条件緩和や入居テナントを引き止める新たな対策などを求める声が上がっている。

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