金沢の観光エリアとして知られるひがし茶屋街からほど近い場所に2月5日、町家を改修した工房兼ギャラリー「金澤町家職人工房東山」(金沢市東山2、TEL 076-252-5101)がオープンした。
切り妻屋根に平入(ひらいり)、格子を備えた町家は、1897(明治30)年以前に建てられたもので、以前は金沢市出身で東京都在住の涌田正明さんが住居や縫製工場として使っていた。その後、空き家となっていたが、金沢市が若手の伝統工芸作家らの独立を支援するための貸し工房として借り上げた。
同市では、工房を家賃のほぼ半額で作家に貸し出すことにし、金沢卯辰山工芸工房修了生で、金工作家として活躍する秋友美穂さん(34)が借主第1号となった。
内部は作業場とギャラリースペース、事務室に生まれ変わり、秋友さんは連日、真新しい工房で、糸のこやたがねを使って銀の板を透かし切ったり、銅を彫ったりする制作工程を披露している。ギャラリーには、秋友さんが制作した、金平糖や花をモチーフにしたアクセサリーが並べられている。3月からは彫金教室と1日制作体験教室も開く予定。
秋友さんは「毎日、地域の方や友人が来てくれて楽しい。ぜひ立ち寄ってほしい」と話す。
公開時間は10時~17時。入場・見学は無料。水曜・木曜定休。