食品の研究開発を行う日本海藻食品研究所(金沢市本江町)は、2月4日までにホットタイプのソフトクリームの開発に成功した。3月以降に本社近くのアンテナショップ「へるしいらぼ」(同、TEL 076-292-3201)や全国の加盟店で販売をスタートする。
同社では14年かけて、豆腐を製造する際に大量に廃棄されるおからのペースト化に成功し、これを主原料にした健康食品の研究開発に力を入れている。昨年はおからペーストと米粉などを配合し、常温で1時間放置してもできたての姿をキープする「溶けにくい」ソフトクリームを開発。ネットやテレビ、雑誌などのメディアに取り上げられ全国的に注目を集めた。
ホットタイプのソフトクリームは、従来の技術をベースに、米粉の配合と練り工程に工夫を凝らし、形崩れを防ぐことを可能にしたもの。同社の白石良藏会長によれば、「業界では高温でのクリームの成型は無理というのが常識だった」という。見た目は普通のソフトクリームと変わらないが、できたては湯気が立ち上がる。溶けにくいソフトクリームと同様、カロリーは通常のソフトクリームの約半分で、放置してもほぼそのままの形を保つ。「しばらく置いて水分を飛ばした後にトースターでじっくり焼くと和菓子のような味わいになる」と白石会長。溶けにくいソフトクリーム同様、意外性とヘルシーさ、食べやすさが注目を集めそうだ。
「研究が好き、人を喜ばせることが好きで40年間この仕事に打ち込んできた」という白石会長は、今も毎朝6時30分に出社し深夜2時まで研究室にこもる毎日を送る。「もうかる、もうからないではなく、アイデアがわき、それを形にできる今が一番楽しい」と話す。自身は好きな研究に打ち込むため、商品の販売戦略は3月に設立予定の子会社に任せるという。