金沢21世紀美術館(金沢市広坂、TEL 076-220-2800)は1月16日・17日、同館が取り組む「ミュージアム・エデュケーション(美術館教育)」の可能性を探るシンポジウムとトークセッションを開催する。
昨年10月で5周年を迎えた同館は開館以来、現代美術を収集・展示する美術館として、芸術活動のあり方を来館者とともに考え価値を創造するプログラムの開発を目指し、さまざまな世代を対象に教育普及プログラムを展開してきた。特に、同館のミッションステートメントの一つ「見て・触れて・体感する、芸術と文化の開かれた教室」としての美術館教育に力を入れている。
これまでの取り組みとして、市内の小学生がボランティアと一緒にコレクション展を鑑賞する「ミュージアム・クルーズ」や、アーティスト・学校・美術館が共同してプログラムを展開する「まるぴぃ アートスクール」、「金沢若者夢チャレンジ・アートプログラム」など、若者がアーティストとともに行う芸術活動を通して成長するための独自の長期プロジェクト型展覧会などを実施してきた。
シンポジウムは「美術館教育の現在」をテーマに、初日の16日(13時~18時30分)には先進的な活動で注目を集めている国内外の美術館の事例発表などを通じて、鑑賞教育のあり方を具体的に提案。ストックホルム近代美術館副館長のアン=ソフィー・ノーリングさんが「21世紀の市民社会と美術館の役割」をテーマに基調講演を行う。翌17日(10時30分~15時)のトークセッションのテーマは「鑑賞教育の現場から」。首都大学東京教授の長田謙一さんが「これからの美術館の使命」をテーマに講演するほか、金沢大学附属中学校教諭の西澤明さんが「美術館連携の取り組みについて」と題し、事例を紹介する。
参加無料。定員は各日150人。事前申し込み不要。