金沢の曹洞宗寺院「広誓寺」(金沢市昌永町)で9月27日、ドイツ人音楽家のハウシュカ・フォルカー・ベルテルマンさんによるプリペアード・ピアノの演奏会が開かれる。
ハウシュカさんは、ドイツのデュッセルドルフを拠点に活動する音楽家で、世界的にも稀有なプリペアード・ピアノ奏者。これまで、ドイツやイギリスのレーベルから音源を発表。昨年9月には通算4作目となるアルバム「Ferndorf」を「Windbell」(日本)からリリースした。来日公演は昨年1月に続き今回で2回目。同寺住職の次男でアーティストの巽勇太さんが、ハウシュカさんと親交のある友人の佐伯昌紀さんとともに企画した。
プリペアード・ピアノは、本来の音色とは異なる音を出すため普通のピアノに細工をしたもので、弦にゴム・金属・木などを挟んだり乗せたりすることで音色を変える。さまざまな素材を使うことで、1台のピアノから多彩な音色・効果が生まれ、打楽器や金属的な響きを表現することができる。アメリカ人現代音楽家のジョン・ケージが1940年ごろに考案したと言われている。
ハウシュカさんの音楽は、クラシックをベースにポスト・ロックやエレクトロニカ、テクノといったポップミュージックの世界を表現、聴き手次第で表情を変える音楽として注目されている。当日はピアノ演奏に加え、ハウシュカさんが主演と音楽を担当したショートフィルム「Bloksky」を伴奏付きで上映。別棟の坐禅堂では巽さんの写真展、撮り下ろしフィルムに合わせたハウシュカさんによる即興演奏も行われる。
佐伯さんは「寺の凛としたたたずまい、インティメートな(居心地のよい)空気感の中で、音や空間、人や楽器のさまざまな気配を感じながら中秋の一夜を過ごしてほしい」と話す。
開演は19時~。料金は3,000円で、定員100人。予約はメール(shirasagi@pancho-air.com)で受け付ける。問い合わせは同寺(TEL 076-252-3592)まで。