デザイン会社のアーテックス(金沢市竪町、TEL 076-261-5175)は3月1日、金沢を訪れる外国人のフリー観光客向けの英語版フリーペーパー「eye on KANAZAWA」第2号を発行した。
同社では昨年10月、創刊号を発行。「ありそうでなかった英語版の金沢ガイドの登場に、いろいろなところから予想以上の大きな反響があった」と同社社長で編集人の川上広造さん。デザイン会社が独自に手がけた冊子ということで、クオリティーは高い評価を受け、実際に広告を掲載した飲食店やホテルでは外国人客の利用が増加しているという。
第2号では「懐華樓(かいかろう)」(東山1)でのお茶屋体験や居酒屋の楽しみ方、旅館でのマナーを紹介。新企画としてホテルのコンシェルジュやボランティア観光ガイドの「金沢グッドウィルガイドネットワーク」のスタッフへのインタビュー記事も掲載し、金沢の「おもてなしの心」を紹介している。
見開きページで特集している飲食店ガイドは、「自分が胸を張ってすすめられる店やユーザーの立場に立って本当に利用したいと思える店を紹介している」(川上さん)。昨年末からの景気の落ち込みで広告営業も苦戦を強いられたというが、前号の広告主のほとんどが掲載継続を申し込んでくれたことが川上さんの大きな励みになった。円高による外国人観光客の落ち込みも懸念されたが、ツアー客は減少したもののフリー客の数は変わらないという。同社ではフリーペーパーに掲載されている飲食店にはオリジナルステッカーを掲示してもらうなどして、日本語が全く読めないユーザーの利便性向上を図っている。
川上さんは、「『eye on KANAZAWA』を応援してくれている方の期待に応えられる誌面づくりをしたい」と、完成したフリーペーパーは直接広告主や関係先に届け、意見や要望を聞くよう努めている。金沢の中心地にオフィスを構えているため、同誌を頼りに金沢のまちを歩く旅行客と出会うことも多く、ユーザーの意見を聞くこともできる。中には「役に立って面白いから、旅先で出会う人に渡してあげたい」と何十部も持ち帰る観光客も。
仕様は、タブロイド判カラー8ページ。印刷部数は2万部。第2号発行と同時にホームページも開設し、金沢の多様な魅力を海外に広く情報発信している。夏号となる3号は6月中旬に発行。冬場は外国人観光客の入り数が少ないことから、秋冬は合同号とし、今後は年3回発行のサイクルを予定する。
金沢市内ではJR金沢駅構内の石川県金沢観光情報センターをはじめ、ホテルや掲載店舗などで配布。成田空港、関西国際空港、中部国際空港セントレアの各空港でも入手できる。北陸に定住する外国人にも使ってもらうため、富山や福井の国際交流センター、高山市の観光案内所でも配布している。