金沢で「石川コンテンツマーケット」-地域コンテンツビジネスの組成狙う

最優秀賞の受賞式

最優秀賞の受賞式

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 石川県を中心に活動するコンテンツ制作会社やクリエーターらが出展する見本市「石川コンテンツマーケット2009」が3月15日、石川県地場産業振興センター(金沢市鞍月2)で開催された。当日、出展作品の中から最優秀賞・優秀賞・地域発信賞を顕彰したほか、セミナーや交流会が開かれた。

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 展示作品47点から最優秀賞に選ばれたのは、ほとんどの学生が入学してからコンピューターアニメーションを習い始めたという「金城大学短期大学部美術学科メディア造形コース」が制作したアニメーション「エコロジー」(コンピューターアニメーションを習い始めた1年生が技を駆使しエコロジーを訴える)。審査員から、「そのまま公共広告機構のCMに使えそうなくらい」との評価を受けたクオリティーの高さとメッセージのわかりやすさ、伝えたい自分がコンテンツの中に素直に出ている「自然さ」が高く評価された。

 昨年に続き2回目の開催となる「石川コンテンツマーケット」は、県内を中心としたコンテンツ制作者に作品発表の場を提供しながら、地域として独自にコンテンツビジネスの組成を目指すもの。コンテンツのレベルアップやビジネスマッチング、市場に向けてのダイレクトな情報発信とヒアリング、制作者同士のネットワーク形成などを目的にする。

 会場では受賞作品の発表に先立ち、当日審査委員を務めたエイベックス・エンタテインメント映像事業本部映像制作部チーフプロデューサーの穀田正仁さんと、メディアラグ社長の藤井雅俊さんによる「ジャンプアップセミナー」も行われた。

 穀田さんは「今回、多くの出展者の作品はヒットまでのパイロット版の段階であり、作品には説明が不要な『予告編としてのインパクト』が大事。さらにその後は、顧客の興味と資金を集められるプレゼンが重要」と語り、ヒットへの予感という観点から、「コンテンツのことを知らない人でも短時間でわかりやすいかどうか」を審査基準の一つに挙げた。

 表彰式の総評で、藤井さんは「現在、『東京コンテンツマーケット』には約120社が参加しているが、それらと石川の作品を比べても差はなくなってきている。今回は、すぐに商品化が可能という視点ではなく、東京のプロデューサーらと連携するに当たっての可能性の高さを基準に審査した」と明かした。

 優秀賞には、石川県立工業高等学校デザイン科の「高校生の蹉跌」(何気ない高校生の日常を描きながら、テーマ「すべてに愛を」を表現する映像)と、富山大学芸術文化学部の「色の音のピアノ」(光の反射率で音「トーン」が再生し「視覚」から「聴覚」に感覚を変換できる映像)、Miaou Design Works.の「ぼくの3000マイル」(白い小鳥が旅を通して自分の森の恵みや生命の尊さを知り成長する子ども向けアニメーション)の3作品が選ばれた。

今年度から新設された地域発信賞には、小松商店街鐡道の「さらりー犬」(サラリーマンの顔を持った犬のキャラクターが「会社の犬」とののしられようとも、日々したたかに生き抜くというキャラクター)が撰ばれた。

 問い合わせは、同運営事務局(石川県産業創出支援機構内、TEL 076-267-1001)まで。

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