金沢・にし茶屋街に輪島塗のアンテナショップ-漆を使った家具リメーク提案

リメークしたたんすが置かれた「倭(わ)」の店内

リメークしたたんすが置かれた「倭(わ)」の店内

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 金沢のにし茶屋街の入り口に、創作漆器・輪島塗リメークのお店「倭(わ)」(石川県金沢市野町2、TEL 076-236-2324)が昨年12月、オープンした。

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 同店代表・二井徹さんの実家は、輪島塗の工房「ふた井漆器」(石川県輪島市堀町4)を営んでおり、父親と兄が漆器制作の傍ら、漆を用いたたんすのリメークに取り組んでいる。同店はこのリメーク事業を金沢の地で発信していくアンテナショップとしての役割を果たす。

 堅ろう優美、最高級の実用漆器として人々に親しまれてきた輪島塗だが、近年はライフスタイルの変化や、安価な輸入品の流入などが原因で生産量が激減しており、業界は深刻な状況に直面している。

 二井さん自身はこれまで家業の漆器制作に携わったことはないが、「自分を育ててくれた輪島塗の危機を何とかしたい」との思いから、金沢での小売店開業に踏み切った。店内にはリメーク作品とともに、輪島塗の漆器や小物のほか、輪島の朝市でも評判の二井さんの母親が作ったクラフト作品が並ぶ。二井さんは現在、ダブルワークで店を切り盛りしており、店舗の運営に関わる時間は限られているが、「できるだけ多くの人に輪島塗の技術を生かしたたんすのリメークのことを知ってもらいたい」と意欲をみせる。

 たんすのリメークは、金具を外し、漆と木粉を混ぜた「こくそ漆」を使って傷や虫食い穴を補修するところから始まる。その後、漆と米のりを混ぜたもので布を張り、「との粉」と漆を混ぜたものを塗り込む。その上に赤、黒、溜色など、好みの色の漆を塗り上げ、最後にさびを落として漆でふいた金具を取り付ける。「ふた井漆器」のリメークは好評で、大阪の百貨店で作品が展示されたこともあるという。

 二井さんは「漆は、見た目も手で触れても柔らかい。漆を施すことで、古びた家具が生まれ変わります」と漆の魅力を語る。

 現在、不定営業のため来店前に電話確認(TEL 090-2834-3438)が必要。

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