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加賀蒔絵のアニマル万年筆-加賀の工房が製作、東京でも販売
(2009年01月09日)
ポップなデザインの動物たちが加賀蒔絵(まきえ)になって万年筆やボールペンに登場する「アニマル・ペン」シリーズが加賀市の工房で製作され、幅広い世代から人気を集めている。
同シリーズの企画・デザインを手がけたのは、5代にわたり加賀蒔絵に従事している「漆工芸大下香仙工房」(加賀市二子塚町、TEL 0761-77-5250)の若手蒔絵師・大下香征さん。神奈川県小田原市生まれの香征さんは、創形美術学校グラフィックデザイン科を卒業後、結婚を機に妻の実家である同工房へ入り、約10年前より山中塗の茶道具などに施す伝統的な蒔絵の技術を学んできた。2002年には、現代のライフスタイルに蒔絵や漆絵を提案する「KOUkoubou」ブランドを設立。代々培われたクラシカルな技術にグラフィックデザイン出身ならではのポップな味付けを加えた同シリーズは、同ブランドで展開している。
同工房では、OEM(相手先ブランド製造)により、イタリアの万年筆ブランド「ビスコンティ」の万年筆にタロットカードや神話、日本の四季をモチーフとした蒔絵を施した実績を持つ。「アニマル・ペン」シリーズは、こうした海外向けの展開とも、「蒔絵=古典」といった従来の定式とも異なる。香征さんは「日本の伝統的な金の製法である蒔絵を自分の価値軸であるポップカルチャーに引き寄せることにより、現代で楽しめる蒔絵や漆絵に挑んだ」と話す。
同シリーズは2007年より製作を始め、段階的に動物の種類を増やすなどしてきた。昨年9月にベースとなる万年筆、ボールペンをプラチナ萬年筆社製にグレードアップし、動物モチーフにアザラシ、ナマケモノ、カエル、シカを加えて全21種類で大幅リニューアル。ボディー部分にはワンポイントで愛嬌(あいきょう)たっぷりの動物を、キャップ部分には動物と関連のある絵を、それぞれ施す。日本産の漆と色顔料を使っているため、使い込むと漆絵や蒔絵がなじんで、色漆の光沢感や発色・金色も上がってくる「なれ」感も味わい楽しめるという。
当初は、初めて蒔絵を手にするような若い女性を念頭に作ったが、若い女性はもちろん、50~60代の男性からの人気も高いという。「1本1本、フリーハンドで製作しているため微妙に表情が異なる。色やつやの変化も相まって、使い込むほどに愛着がわくと思う。蒔絵の魅力は、近い距離で眺めてこそ味わえるので、手のひらサイズのペンは蒔絵のメディアにぴったり。これからも、商品にメッセージを込めて発信し、蒔絵を介してお客さんとコミュニケーションしていきたい」(香征さん)。
価格は、万年筆=28,350円、ボールペン=19,950円。ギャラリー&ショップRin(東京都港区)の店舗とオンラインショップ、東京ミッドタウン内のジカバーニッポン(東京都港区)で扱っている。同ブランドではシルバーレースをモチーフにしたシリーズや、梅や桜、カラマツをデザインした「和そう」シリーズも展開中。
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