片岡鶴太郎さんが主宰する工房「苺庵」(京都市)の美術展が9月24日から、香林坊大和(金沢市香林坊1)のアートサロンで「織」と「染」の作品を集めて開催されている。
13年前に墨彩画から始まった片岡さんの芸術活動は絵画や版画にとどまらず、織と染の制作を始めたのが10年前。今回は、その10周年を記念したもの。「苺庵」では片岡さんが自ら描いた図案に、京都・西陣の伝統工芸師と心を合わせながら着物や帯、織額などを制作している。
今回は、日本の伝統の「染」の色彩や、迫力ある「織」の立体感が見ごたえのある約40点を展示販売。同展限定で制作された西陣織の袋帯と絵皿のセットは3組限定。織額の「出世魚」は迫力のある絵と書で来場者の注目を集めている。
片岡さんが図案に選ぶものは「日常生活でふと見たものや感じたもの」といい、花や魚などの身近な図案と作品の持つ温かさに引かれた来場者がじっくり鑑賞する姿が見られる。片岡さんの作品は石川県では「山中温泉片岡鶴太郎工藝館」にも展示されているが、同展目当てに遠方から足を運んだファンは「工藝館では見られないものがたくさんある」と購入する人も。鮮やかな色彩でデザイン性と実用性を兼ね備えた「染め風呂敷」(1,575円~)は来場の記念に購入する人が多いという。
開場時間は10時~19時(最終日は17時閉場)。水曜定休。入場無料。今月30日まで。