金沢21世紀美術館(金沢市広坂、TEL 076-220-2800)で現在、コレクション展「Nous ぬう」が開催されている。
現代アートで全国的に人気を集める同館。近年は工芸にフォーカスした企画にも力を入れ、同展では女性の手仕事として日常生活に受け継がれてきた「手芸」をテーマにする。国内外から9人の女性作家が制作した50点を展示し、アートとしての「手芸」の世界を紹介。展覧会名の「Nous」はフランス語で「私たち」の意で、手芸としての「縫う(ぬう)」を掛け合わせた。
会場には、現代の神話を壮大なインスタレーションで表現した鴻池朋子さんの作品「風の語った昔話」、衣類やスニーカーなどの普段使いをモチーフに陶芸で表現する山本優美さんの「うつしみ-自分が居てもいいっていう場所」など、個性的な作品が並ぶ。海外からはサラエボ、フランス、オーストラリアなどから4人の作家がコンセプチャルな映像作品などを出展。
関連プロジェクトとして、同館近くに住むアーティストのモンデンエミコさんが毎日のように子どもと共に散歩に訪れ、会期中ほぼ毎日更新する「刺繍(ししゅう)日記」を出展。子育てや日常生活をリアルに表現し、来館者とコミュニケーションを図る試みも。
同展の会期に合わせ、若手作家の展覧会シリーズ「アペルト」から「Nelhol Promenade/ プロムナード」(8月28日まで)、音・光・色を放つ新感覚シューズを履いたダンサーの映像作品「no new folk studio『Orphe』」(9月25日まで)の展示も始まった(入場無料)。
開場時間は10時~18時(金曜・土曜は20時まで)。休場日は、月曜(7月18日、8月15日、9月19日は開場)・7月19日・9月20日。観覧料は、一般=360円、大学生=280円、小中高生=無料、65歳以上=280円。9月25日まで。