前田家の菩提(ぼだい)寺・宝円寺(金沢市宝町6)で1月29日、日本の文化と品格を学び日常に生かすことを目的に、イベント「おとなの嗜(たしな)みサロン」が開催された。
同イベントは、今を暮らす世代が、日本の伝統的文化の体験学習を通して日本人らしい品格を身につけ、それを現代生活にフィードバックし生かしてゆくために、情報の共有や交換、発信することを目的に開かれている。毎回異なるテーマを掲げ、専門講師によるワークショップを通じて実践する。
2016年最初の開催となる今回は、「抱負を一文字で色紙に書く」をテーマに、書家・礒野朝子さんが講師を務めた。参加者は礒野さんから書の添削を受けながら、「臨」や「楽」など、思い思いの漢字一文字をしたためた。サロン後半には、遠州流金沢支部準師範の坂井宗民さんによるお茶とお菓子がふるまわれ、参加者は書道で精神を集中した後のリラックスした時間を楽しんだ。
参加した女性は「ひさしぶりに筆を持ったが、先生の丁寧な指導のおかげで色紙に一文字を書くことができた。書を通して自分と向き合う時間を過ごせる貴重な体験になった」と笑顔で話していた。
坂井さんは「畏(かしこ)まったイメージのある日本文化を朗らかな雰囲気で楽しんでもらうことができた。茶の湯も本来は和気あいあいとお話をしながら楽しむもの。ワークショップで体験したことを意見交換する良い時間になった」と話し「今後もさまざまなテーマでサロンを開催するので、多くの人に日本文化を身近に感じてもらえたら」と意気込む。