金沢・ひがし茶屋街に3月1日、北陸三県由来の工芸品・雑貨・食品などを展示・販売する「東山Gallery H(ギャラリーエッジ)」(金沢市東山、TEL 076-282-9909)がオープンする。運営は、昨年夏に地元の中小企業経営者ら6人で設立した「東山エッジ」。
社長の田中照人さんは「伝統工芸が根付く北陸にはすばらしい商品がたくさんあるが、人目に触れず埋もれている物も少なくない。伝統技術を大切にしたものづくりを広く認知してもらえる場所を作ろうと思った」と話す。
蔵を併設し2階建ての町家を改装した店内には、数百円のお菓子から200万円を超える芸術品まで約300点が並ぶ。一見その価値が分かりにくい物もあるが、スタッフが作り手の技術や思いなど背景まで説明することで、商品本来の姿を伝えていくという。
カラフルなキーホルダーのように見える「LIFE WHISTLE」は、実は防災・防犯用の笛。綿花から作られる植物性の樹脂・アセテートを使い、福井県鯖江市のメガネ職人が手作りする。かばんの中にしまいがちな笛をおしゃれにすることで、いざというときにきちんと役立つようにという作り手の思いがこめられている。
このほか、1919(大正8)年の創業時から杉だるで作るヤマチ醤油(宝達志水町)の「杉樽醤油」、金沢美術工芸大学出身の金工作家・三原愛子さんの真ちゅうのアクセサリー、天野漆器(富山県高岡市)の高岡漆器の伝統技術を生かしたグラスなど、個性豊かな商品がそろう。
オーベルジュ「薪(まき)の音」(富山県南砺市)が今夏に同茶屋街に開業する旅館・カフェと提携し、客に実際に商品を手に取ってもらえる場も設ける予定。さらに、大手ネットショップや海外への展開も見据える。田中社長は「生活を豊かにし、感動を与える商品をどんどん発信していきたい。出展者同士、切磋琢磨(せっさたくま)できる環境も作り、北陸のものづくりの発信源にしていければ」と意気込む。
営業時間は10時~17時。水曜定休。