金沢市の県立伝統産業工芸館(金沢市兼六町、TEL 076-262-2020)で現在、クリスマス特別企画として、数々のコンクールで入賞し、活躍する新進気鋭のガラス作家藤田紗代さん(30)の作品展「漂う-場景のかたち-」展が開かれている。
藤田さんは、日頃の生活の中で目にする風景やものから連想した空想の世界をかたちにしている。
今回は、中でも「置いてあるだけで香りや風や音が漂ってくるような作品」を集めた。ガラスを巾着のように絞って作ったという「はな」、煙突から出る煙や山にかかる雲を見て、「せりふの吹き出しのよう」とイメージを膨らませた「ふきだし」、「大きな石の隙間にドアがついていたら面白い」と発想して形にした「ほこら」、風を受けて波立つ水面を表現した「おおなみ」「こなみ」「さざなみ」など約100点が並ぶ。
来場者は一点一点の前で足を止めて見入り、作品を味わっている。
藤田さんは「見てくださった方が昔の記憶を思い出したり、新しいことを考えたりするきっかけになればうれしい」と話す。
開館時間は9時~17時。入場料は、大人=250円、65歳以上=200円、小人(17歳以下)=100円。木曜休館。12月27日まで。