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金沢能楽美術館で開館5周年の特別展-加賀藩の能の原点「金春座」を紹介

金沢能楽美術館で開催されている特別展「東京国立博物館所蔵 金春座伝来 能面・能装束」の展示風景

金沢能楽美術館で開催されている特別展「東京国立博物館所蔵 金春座伝来 能面・能装束」の展示風景

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 金沢能楽美術館(金沢市広坂、TEL 076-220-2790)で現在、開館5周年記念特別展「東京国立博物館所蔵 金春座伝来 能面・能装束」が開催されている。

金沢能楽美術館の外観と展示の様子

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 加賀藩の能の原点である金春(こんぱる)座を紹介する同展。現代にも能楽愛好の文化が残る金沢で、その礎を築いた加賀藩前田家の能は、初代利家が豊臣秀吉にならって金春流の役者をひいきにしたことに始まる。同展では、能の原点として知られる大和四座の中でも最も古い歴史があり、桃山時代には武将らを魅了し全盛を誇った「金春座」に迫る。

 会場には、東京国立博物館が所蔵する金春座伝来品の中から、近年、一括して重要文化財の指定を受けた能面を含む38点を展示し、能装束は金春流の能が最も栄えた安土桃山時代~江戸時代をたどる内容となっている(重要文化財16点は前期・後期に分けて展示)。能装束「縫箔 紅白段菊芦 水鳥模様(重要文化財)」は、仲むつまじい番(つがい)の鳥たちが刺しゅうで表現され、水辺に戯れる鳥たちのさえずりが聞こえてきそうな楽しい一品。刺しゅうの隙間には金銀箔がすり詰められ、精巧さと華やかさを持ち合わせる。

 関連イベントとして、利家と関わる中世芸能について同館長の藤島秀隆さんが解説する特別講座「前田利家と中世芸能」と狂言「附子」の公演(10月22日、講座=13時~13時50分、公演=14時~15時)、東京国立博物館の小山弓弦葉さんが展示品の解説を行う特別講座「奈良金春座に伝わる能面・能装束の特色」と加賀万歳・越前万歳共演会(10月23日、講座=13時30分~14時30分、公演=15時~16時30分)、ギャラリートーク(11月12日、14時30分~)を予定する。

 同館学芸員の山内麻衣子さんは「東京国立博物館でも、金春流にまつわる品をこれだけ一挙公開することはなく、全国的にも大変貴重な展観の機会。400年以上の時を経た今もなお、輝きとエネルギーに満ちあふれる名品に、ぜひ会いに来てもらえれば」と来館を呼び掛ける。

 開館時間は10時~18時。休館日は、月曜(祝日の場合はその翌日)・10月25日。入館料は、一般=300円・65歳以上=200円・高校生以下=無料。11月20日まで(前期は10月23日までで、後期は展示替えを行う)。

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