映画の上映を行う市民有志の団体として2007年に発足した「かなざわ映画の会」が9月3日、東日本大震災の復興支援上映活動として宮城県石巻市で野外上映会を行った。
同会では、2007年にも震災を被った能登半島の復興プロジェクトとして野外上映を実施しており、「映画の力が被災地の人たちのエネルギーになれば」との思いで今回の上映会を企画した。上映作品には、長年にわたって受け継がれている人気作品「トラック野郎」シリーズの中でも、東北が舞台になっている第8作「トラック野郎 一番星北へ帰る」を選んだ。
会場となったのは、大きな被害を受けた同市を一望する日和山の鹿島御児神社。強風のため野外にスクリーンを張ることができず、急きょ、神社本殿での上映へと変更。同シリーズに登場したデコトラ「一番星号」もお披露目され、イベントを盛り上げた。
上映会には避難所などから約300人が訪れ、道路に出てデコトラの到着を待った。上映前にデコトラに電飾が点灯すると歓声が上がり、記念撮影する人の姿も目立った。同シリーズを手掛けた鈴木則文監督からは「今回の災害のように、人が生きるということは何があるか分からない。しかし、その先には希望がある。何があっても明るく生きる人たちが描かれている『トラック野郎』を見て、楽観的に笑うことを忘れない人生を送りましょう。笑うことを忘れず、負けずに生きてください」とのメッセージが寄せられた。
同会の小野寺生哉さんは「強風でテントやスクリーンが張れずに苦労したが、被災地の人から『また、このようなイベントを開いてほしい』など喜びの声が寄せられたのがうれしかった」と振り返る。