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ミュシャ生誕150年記念展、金沢21世紀美術館などで開催へ

「黄道十二宮」堺市蔵

「黄道十二宮」堺市蔵

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 19世紀末に流行した「アール・ヌーボー様式」の巨匠、アルフォンス・ミュシャ(1860~1939)の生誕150年を記念した作品展「アルフォンス・ミュシャ展~アール・ヌーヴォーの時代精神~」が5月28日から、金沢21世紀美術館(金沢市広坂1)と「しいのき迎賓館」(広坂2)で開催される。

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 オーストリア帝国南モラヴィア地方(現在のチェコ)生まれの画家ミュシャは28歳の時、パリに移り、舞台女優サラ・ベルナールを描いたポスターで一躍有名になった。商品のポスターや菓子のパッケージ、宝飾品のデザイン、書籍・雑誌の挿絵も手掛け、民族衣装やドレスに身を包んだ美しい女性の周りに植物文様をあしらった華やかな作品で時代の人気者となった。しかし、アール・ヌーボーの流行が衰退し始めた20世紀初頭、アメリカに渡り、それまでの画風を一変。祖国やスラブ民族の歴史を題材にした油彩画を描き、晩年、祖国に帰国してからも愛国心のみなぎる作品を創作し続けた。

 同展では、「パリの時代」「アメリカの時代」「チェコの時代」の3部構成で、約170点を紹介する。「パリの時代」のコーナーには、代表作として有名なリトグラフ「黄道十二宮」(大阪府堺市蔵)、「フルショヴァニー城のついたて(西風とニンフ)」(チェコ国立モラヴィア美術館、ブルノ蔵)、ブリキに少年や花を描いた「ルフェーヴル=ユティル社のビスケット缶」(フランス・ナント歴史博物館蔵)などを並べる。

 「アメリカの時代」では、75年間行方が分からず、1983年にシカゴの倉庫から見つかった油彩画「ハーモニー」(堺市蔵)を展示。「ハーモニー」は幅4メートルを超える大作で、スラブの神話的な世界を描いている。ニューヨークにあるドイツ劇場の装飾画として制作されたが、従来、手掛けていたアール・ヌーボー様式とは全く異なる作風だったことから、完成後、劇場側から受け取りを拒否された。「チェコの時代」は晩年に精魂を傾けた「スラブ叙事詩」の下絵や、プラハ市民会館市長ホールの原画などを公開し、ミュシャの生涯を俯瞰(ふかん)できるようにした。

 金沢21世紀美術館と「しいのき迎賓館」を使用する展覧会の開催は初めて。

 開場時間は10時~18時(金曜・土曜は20時まで)。入場料は、一般=1.200円(前売り1,000円)、大学・高校生=1,000円(同800円)、中学生以下=800円(同600円)。6月23日まで。

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