白山の冬の風物詩となった雪だるままつり「雪だるま2011」が1月28日と2月4日、桑島地区と白峰地区で開催される。住民一人ひとりがそれぞれ雪だるま1体以上を「出品」する決まりで、28日開催の桑島地区では約500体、4日の白峰地区では約2,000体が観光客らを出迎える。
実行委員会によると、雪だるままつりは1990年に始まった。両地区は冬の積雪が3メートル以上に達する豪雪地帯で、長年雪に苦しめられてきた住民が発想を転換して雪を楽しもうと企画した。スタート当初は有志だけが製作していたが、回を重ねるうち、住民全員が少なくとも1体を手掛ける形になった。独り暮らしのお年寄りや高齢夫婦の世帯は、ボランティアが手助けするという。
雪だるまはそれぞれ個性的で、「顔や雰囲気を見ただけで、大体どこの家が作ったかわかる」(実行委員の日比野剛さん)ほど。毎年、アニメキャラクターの顔に似せたり、手編みのマフラーや帽子を用意したりと工夫を凝らす家庭もある。
有名人をかたどった雪像も例年、会場をにぎわせており、「イナバウアー」を披露する荒川静香さんや、お笑い芸人・小島よしおさんの雪像が登場した年も。
雪だるまや雪像は各日17時~21時、ろうそくの明かりでライトアップされる。当日は住民が車庫を開放し、特産品のとちもちを使ったぜんざいや、白山堅豆腐となめこ入りの「くずし汁」、イワナのひつまぶし、カレー、ラーメンなどを販売し、観光客を迎える。2月4日~13日は白峰総湯前広場で「スノーらんど2011」も開催し、子どもたちが雪の滑り台で遊ぶことができる。
桑島地区には近年、人口のほぼ10倍に相当する約2,000人、白峰地区にも同じく約6,000~8,000人が見物に訪れているという。
日比野さんは「雪はそれなりに多く降っているので、雪景色の中の雪だるまを見ていただけると思う。笑って帰っていただけたらうれしい」と来場を呼び掛ける。