自動車リサイクル業の会宝産業(金沢市東蚊爪、TEL 076-237-5133)が、自社の畑「会宝農園」(宝達志水町)で生産した野菜の販売を行っている。
同社が農業への取り組みを始めたの理由について、日本の食糧自給率が約40%という中で「将来、もし食料危機を迎えても社員が食べる物を確保するため」「日本の農業復活のため」、さらに「定年後も社員が働ける第2の仕事場を作るため」と話すのは農業事業部統括の坂井茂夫さん。もともとエンジニアだった坂井さん自身も同社で定年を迎えた現在、同事業部で指揮を執る。
当初は、本業の自動車リサイクルによる廃油を「廃油ヒーター」として活用し、農産物の販売支援を軸に計画を進めていた。その後、限界集落での高齢化による農業人口減少の問題を抱える同町のニーズとマッチし、昨年から自社畑「会宝農園」で米と野菜の生産を始めた。同畑で生産される野菜は無農薬にこだわり、今年7月に初収穫、社内で販売を始めた。社内アンケートにより「宝マークの宝志野菜」とネーミングされたナス、カボチャ、トマト、三尺ささげ、大根などの野菜は「ほとんどが売り切れる」状況だという。同事業のため、4月に入社した同町出身で農業経験者の元屋さんによる、野菜を使った「おすすめレシピ」も好評だ。
9月からは社外への販売も開始。現在は十分な数量を確保できるよう体制を整えている段階で、試験的な販売として全野菜を一律1パック100円で販売する。坂井さんは「今後も野菜一つひとつに心を込め大切に育てていきたい。安定した供給ができる体制が整えば販売網を拡大し、手作り野菜を多くの人に味わってもらいたい」と話す。
販売方法は、毎週月曜・木曜13時に同社サイト(スタッフのブログコーナー)で販売品目を掲載し注文を受け付ける(13時30分まで)。商品は、翌日12時までに同社で引き渡す。注文と問い合わせは担当の松本さん(TEL 076-237-5133)まで。