レンタル自転車を市民の足に-金沢の中心市街地で実験スタート

式典会場から出発するレンタル自転車

式典会場から出発するレンタル自転車

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 金沢市中心部で8月21日、市のまちなか公共レンタサイクル社会実験「金沢レンタサイクルまちのり」が始まり、貸し出し・返却場所の一つ、金沢21世紀美術館(広坂1)のコンクリート広場で出発式が行われた。

サイクルポート

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 公共レンタサイクルは、登録者がレンタル自転車を共同で利用するシステム。1日単位で貸し出す一般のレンタサイクルと異なり、短時間の利用を想定している。貸し出しと返却の拠点「サイクルポート」を複数個所設置し、利用者が貸し出しを受けたポート以外の場所で返却できるのも特徴。ヨーロッパで盛んに取り入れられており、パリでは1,500カ所のサイクルポートに計2万4,000台の自転車を置き、市民らが公共交通の一つとして利用している。国内でも、富山市と北九州市が今春から導入している。

 金沢市は、2014年度末に予定されている北陸新幹線金沢開業後の市内の交通手段の一つとして公共レンタサイクルの可能性に注目した。自動車利用からの転換を促し、環境問題改善に役立てる狙いもある。

 今回の社会実験では、JR金沢駅東口や香林坊の仙石通りバス停横、金沢21世紀美術館駐輪場、長町緑地、兼六園の白鳥路、東山の浅野川大橋交番横、野町駅舎内など市中心部10カ所にポートを設け、県自転車軽自動車事業協同組合から借りた新品の自転車100台を配置した。10月20日までの期間中、市民らに通勤や買い物、ビジネスなどの足として気軽に使ってもらい、本格実施に向けての課題を探る。1日あたり100回以上の利用を見込んでいるという。

 市では事前登録を受け付けており、20日までの登録者は延べ個人586人、法人6団体だった。

 出発式では、山出保市長が「金沢は道路が狭くて自転車に快適な環境ではなく、問題点もある。そういうことを克服しながら、自転車の活用を進めていきたい」とあいさつ。まちなか自転車利用環境向上計画策定委員会委員長を務める金沢大学大学院自然科学研究科の高山純一教授は「今回は走行環境や利用勝手について検証する。市民にも観光客にも親しまれ、利用されることを願っている」と期待を込めた。テープカットの後、森源二副市長や各ポート周辺の商店街とまちづくり団体の代表者らが自転車30台に乗り、各ポートに向けて出発した。

 「まちのり」の利用時間帯は、平日=7時30分~20時30分、土曜・日曜・祝日=9時~19時。身長140センチ以上であれば、市民に限らず誰でも借りることができる。初回に氏名や住所、連絡先などの登録が必要で、ポートに運転免許証か保険証、学生証など身分を証明できるものを持参する。貸し出しの基本料金は1日200円。1回あたりの利用時間が30分以内であれば、何回使っても追加料金は不要。30分を越えるごとに200円が加算される。1カ月の基本料金は1,000円。

 実験に用いられた自転車100台は期間終了後の10月24日、金沢市民芸術村で開催される「かなざわエコフェスタ2010」でリサイクル品として販売される。

後援申請20141009
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