
提供:エキスパート・フラップ 制作:金沢経済新聞編集部
「人材が育たない、若手が辞めてしまう、部下が自立しない」――そんな悩みを持つ企業は多いのではないだろうか。特に中小企業の多くが人材育成の担当や仕組みを持っていないのに加え、管理職の多くがプレーイングマネジャーのため、忙しくて若手の育成に十分手が回っていないのが現状だろう。人材育成ができないことで生じる悪循環は、長期的に見ると企業の成長を阻む要因の一つになっていると言える。
石川県で人材関連の事業を展開している企業「エキスパート・フラップ」(金沢市問屋町1)では、「研修の窓口」という企業の人材育成を支援する研修サービスを展開している。目的に応じたプログラムを設計して提供し、組織の成長と人材の定着を支えているという。同社の研修は、新入社員など若手を教育する研修と、部下育成やチーム運営を担当している管理職の研修を、総合的に組み合わせて提供しているところに特徴がある。
エキスパート・フラップの研修の様子
エキスパート・フラップが提供する新入社員向けの「ビジネススキル研修」では、半年かけて計11回の集合研修を行っている。受講者には研修の間に各企業に戻って、学んだことを実践してもらうという繰り返しが設計されている。
「ビジネススキル研修」の様子
同研修は、信頼関係の構築合意形成、コミュニケーションやプレゼンテーションのスキルといったビジネスの基本に始まり、PDCAを通じた目標設定や行動計画、問題解決やマーケティングなどを総合的に学ぶプログラムになっている。
「研修の直接の効果は4%しかないと言われている。それは学んで満足して終わってしまうから。業務で繰り返し実践することで学びにつなげることが重要」と話すのは、同研修を企画・運営するフラップグループの浦道生さん。現場での実践を促すために、受講生には毎回必ず宿題を出し、進捗(しんちょく)を確認しているという。
フラップグループの浦道生さん
研修で講師を務めているエキスパート・フラップの馬渡友子さんに話を伺った。馬渡さんは元美容師。ウエディング担当をしていた頃に、身だしなみやマナーなどが相手に与える印象を大きく変えることや、自らの未来を設計することの大切さを感じ、キャリアコンサルタントの資格を取得して人材育成の世界へ進んだ。
エキスパート・フラップの馬渡友子さん
新入社員などの若手に対して、相手と信頼関係を築いていくスキルや、相手のメッセージを受け取る傾聴、相手にしゃべってもらうための質問方法などのコミュニケーションスキルのほか、入社してモチベーションを持って業務に当たれるように、いつまでに何をやって、どういう自分になるかという目標を設定して進捗を管理していく方法などを教えている。「若い人の中には人間関係がうまくいかなかったり、モチベーションが下がったりして辞めてしまう人がいる。せっかく入った会社なので活躍してほしいし、少しのコツで楽しく、目標を持って働くことができる。受講生に寄り添うことで応援していきたい」と話す。
「ビジネススキル研修」の様子
同研修では受講生だけではなく、上司や人事担当者も人材育成を学ぶ機会がある。浦さんは「部下の離職を防ぐには、上司による適時のフィードバックや定期的な面談などを通じて、仕事の面白さや自らの成長を実感できるようなマネジメントが必要。そのため上司も育成して、自社の仕組みとして定着してもらわないと長続きしない」と話し、同研修プログラムに組み込まれている勉強会や相談会などを説明する。
エキスパート・フラップは、管理職だけを対象とした人材育成のための「マネジメント研修」も行っている。一日かけて行う集合研修を1カ月おきに計3回行うという。ここでも集合研修で学んだことを各自が現場に戻って実践するプロセスが組み込まれ、同社は「すり込み型」と呼んでいる。部下のコーチングのほか、PDCAを通じた目標達成プロセス、チームビルディングなどを学ぶことができる。各社から集まって行う合同の集合研修なので、各社1人から参加できるのも中小企業にはありがたいサービスだ。異業種交流としての機会にもなるので、業界を俯瞰(ふかん)するなど視野を広げることができるのも魅力的だ。
従来の企業研修は詰め込み型のものや、受講してそれで終わりという単発的なものが主流だったように思うが、エキスパート・フラップの研修はそこから脱却し、より実践的で企業の悩みに寄り添った価値を提供してくれるように感じた。企業の中で人材育成の仕組みとして定着することで学びの循環が持続して生まれ、企業文化として根付かせることができるのだろう。エキスパート・フラップのユニークな研修が広がり、地元の中小企業が成長することによって、地域経済が活性化していくことを期待したい。