研究者総合支援サービスブランドエディテージ(https://www.editage.jp/ )は、日本の若手研究者を支援するエディテージ助成金(エディテージ・グラント)プログラムの受賞者(最優秀賞を含む受賞者5名および、アカデミスト賞・博士情報エンジン賞を含む次点受賞者15名の合計20名)を発表しました。
厳正な審査の結果、エディテージ・グラント2025最優秀賞に米澤 宏隆氏(金沢大学附属病院)が、そして大賞には佐々木 勇人氏(大阪大学)、Sanjeeta Sharma Pokharel氏(サンジータ シャラマ プックレル、京都大学)、小出水 健人氏(筑波大学)、森田 紀帆氏(三菱総合研究所)が選ばれ、2025年10月3日(金)に東京都港区にあるThe Place of Tokyoで開催された「エディテージ・グラント2025授与式&パーティー」にて発表・表彰されました。
授与式に参加した受賞者と審査員
最優秀賞者 金沢大学附属病院 特任助教 米澤宏隆氏 コメント
沢大学附属病院 米澤宏隆特任助教
この度は栄えあるエディテージ・グラント2025最優秀賞を賜り、選考員の先生方、関係者の方々に厚く御礼申し上げます。
私は現在、令和6年元旦に発生した能登半島地震によって発生した患者が、どのような医療機関で、どのような治療が、いつ、どれくらいの期間において実施されたか、さらにはその後高齢者入所施設にどれくらいの期間入所していたか等について、各施設にご協力いただきながら調べています。本研究の結果は、未来の大規模災害(南海トラフ地震等)の対策を講じる上での貴重な資料になると考えています。
調査の規模が大きくなるにつれ研究費用の工面が困難となっていたなか、この度エディテージ・グラントの支援を受け、新たな研究推進力を得ることができました。ご支援いただいた皆様のご期待に沿えるよう、引き続き研究を進めてまいります。
カクタス・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役 リサーチソリューションズ事業 Chief Growth Officer (CGO) 湯浅 誠 コメント
回を重ねるごとに応募者は着実に増え、エディテージ・グラントが確実にアカデミアに根付いていると感じるとともに、分野を問わず多くの若手研究者の方が研究資金をはじめとする支援を必要としていることを実感しています。
今回、授賞式に参加された受賞者の方、そして過去の受賞者からも、エディテージ・グラントが若手研究者にとって重要な研究助成であるため今後も継続してほしいとのご意見をいただきました。さらに今年はアカデミスト様、そしてエマージングテクノロジーズ様にご参画いただきましたが、第一線で活躍する研究者の方々からも「エディテージだけでなく様々な企業がこの輪に入ってくれたことに大きな意義を感じている」とのご意見もいただきました。
カクタス・コミュニケーションズ 湯浅誠代表取締役
AIが台頭する中で弊社のビジネスも大きな変化が求められており、このような支援を継続することは簡単ではありませんが、授賞式でいただいた多くのご声援を糧に、来年以降も若手研究者へのご支援を継続していこうと決意を新たにしております。
アカデミスト株式会社 代表 柴藤亮介氏 コメント
受賞者の皆さま、この度は受賞おめでとうございます。公的資金への申請書類とは異なる「エッセイ」というアウトプットに取り組むことで、ご自身の研究の意味や方向性を改めて見つめ直す機会になったのではないかと思います。
研究費はもちろんですが、このエッセイを書くこと自体が、皆さんの研究を加速させる資産になっているはずです。ぜひ今後も、さまざまな方々とのコミュニケーションを通じて、研究Visionをさらに深化させていってください。
エディテージ・グラントという取り組みを通じて、このような挑戦の場にアカデミストも関わらせていただけたことを大変光栄に思います。今後ともアカデミアの枠を越えた研究発信が広がり、研究者の研究Visionの実現へとつながっていくことを心より期待しています。
アカデミスト柴藤亮介代表
株式会社エマージングテクノロジーズ 代表取締役社長 深澤知憲氏 (博士情報エンジン運営責任者)コメント
エディテージ・グラント2025を通じて、多様な研究分野で挑戦する若手研究者の皆様と出会えたことに大きな感銘を受けました。公的な研究費や支援制度だけでは拾いきれない独創的な挑戦を支えることこそ、民間の助成に託された役割であると改めて実感しています。博士人材のキャリア支援に取り組む私たちは、一人でも多くの学生が博士課程進学を前向きに選択できる社会を広げ、研究者の活躍を通じて思いもよらぬ革新がもたらされ、より良い未来が訪れることを目指しています。
本グラントをきっかけに、受賞者をはじめとする参加者の皆様が研究を通じて新たな価値を生み出し、それぞれのキャリアを切り拓かれることを心より期待しています。
エマージングテクノロジーズ 深澤知憲代表取締役社長
エディテージでは、受賞者の継続的な支援に加え、本助成金プログラムの認知拡大、日本の研究コミュニティへの貢献を一層強化しつつ、若手研究者支援の重要性を引き続き発信してまいります。
エディテージ・グラント設立の背景
エディテージ・グラントは若手研究者支援プログラムとして、自身の研究によって社会にインパクトを与えたいと願う若手研究者に、経済的支援、メンターシップ、キャリアガイドを提供することを目的としています。
若手研究者がキャリアを形成する過程には様々な困難がありますが、その過程において周囲のサポートを十分に受けられないことも稀にあります。そこで私たちは本支援プログラムを通じて、将来性のある研究者が複雑な研究環境に対応しながら自立し、リーダーシップを発揮できるようになることを目標としています。
この助成金の特徴として、助成金は論文執筆に限らず、調査や学会出席のための渡航費、物品の購入などの用途を問わず研究活動に関わるすべての費用に充当していただけます。
エディテージ・グラント 2025概要
日程:募集期間: 2025年4月1日から6月30日まで
対象:2025年4月1日の段階で満年齢が22歳以上39歳以下の研究者の方
助成額:
- 最優秀賞 ‐ 助成額 200万円(大賞の中から1名)
- 大賞 ‐ 助成額100万円(5名)
- アカデミスト賞 ‐ 助成額 25万円(次点の中から1名)
- 博士情報エンジン賞 ‐ 助成額 25万円(次点の中から1名)
- 次点 ‐ 助成額 5万円と5万円分のエディテージクーポン(15名)
選考委員(順不同・敬称略) :
- 湯浅 誠(カクタス・コミュニケーションズ代表取締役 兼 リサーチソリューションズ事業 Chief Growth Officer (CGO))
- 隠岐 さや香(東京大学 大学院教育学研究科 総合教育科学専攻(基礎教育学コース)教授)
- 岸村 顕広(九州大学 大学院工学研究院 応用化学部門 准教授)
- 早野 元詞(慶應義塾大学医学部整形外科学教室 特任講師)
- 原山 優子(東北大学大学院工学研究科名誉教授、ISCフェロー)
公式サイト:https://www.editage.jp/grant
受賞者20名(順不同・敬称略) :
「エディテージ・グラント2025」受賞者5名の氏名、所属、職位、研究分野・研究概要は以下の通りです。
最優秀賞者
氏名:米澤宏隆
大学/所属機関:金沢大学附属病院
職位:特任助教
研究テーマ:令和6年能登半島地震に関連する患者の搬送および診療情報を収集する後方視的多施設調査研究
大賞受賞者
氏名:佐々木勇人
大学/所属機関:大阪大学大学院 理学研究科 宇宙地球科学専攻
職位:博士課程学生
研究テーマ:スロー地震のメカニズム解明への挑戦 ~私にとってのアナログ実験~
氏名:Sanjeeta Sharma Pokharel(サンジータ シャラマ プックレル)
大学/所属機関:京都大学大学院 アジア・アフリカ地域研究研究科
職位:助教
研究テーマ:Reconstructing the paleoecology of extinct Japanese proboscideans (絶滅した日本の長鼻類の古生態学的復元)
氏名:小出水健人
大学/所属機関:筑波大学大学院 システム情報工学研究科
職位:博士課程学生
研究テーマ:身体動作の活用で「移動の自由」をすべての人に ─ 実用性を追求したパーソナルモビリティの 研究開発
氏名:森田紀帆
大学/所属機関:三菱総合研究所
職位:研究員
研究テーマ:「顔を治すこと」の意味を問う ─ 口唇口蓋裂をめぐる語りから考える医療と社会の交差点
アカデミスト賞
氏名:榎優志
大学/所属機関:広島大学大学院 先進理工系科学研究科
職位:博士課程学生
研究テーマ:職人の未来を考える - 研究と実践による挑戦
博士情報エンジン賞
氏名:山下真依
大学/所属機関:島根大学 総合理工学部 物理工学科
職位:助教
研究テーマ:天文学の灯を山陰に ─ 「島大望遠鏡」の設置と前主系列星の観測
次点入賞者
氏名:岡本雅志
大学/所属機関:大阪大学大学院 医学系研究科
職位:博士課程学生
研究テーマ:iPS細胞とオルガノイド技術で挑む難治性自己免疫性肝炎の謎 ─ 個別化医療に向けた「真の疾患モデル」の構築
氏名:小倉拓郎
大学/所属機関:兵庫教育大学大学院 学校教育研究科
職位:准教授
研究テーマ:災害の記録と記憶を次世代にどう繋げていくのか?高精細地形情報を活用した基礎研究と教育・アウトリーチに関する研究
氏名:梶田(小川)美香
大学/所属機関:University of Turku
職位:博士研究員
研究テーマ:歯科不安と健康格差をつなぐ見えない鎖を断ち切る ─ 行動変容アプリ DentalGO による新たなアプローチ
氏名:黒田佳奈
大学/所属機関:神戸大学大学院 保健学研究科
職位:博士課程学生
研究テーマ:次世代の疾病予防に向けた低出生体重児発生抑制のための妊娠中の母体体重管理指針の開発
氏名:周迪(シュウテキ)
大学/所属機関:PST株式会社
職位:博士研究員
研究テーマ:声で「こころ」を可視化する明日へ
氏名:史翔寿
大学/所属機関:京都大学大学院 農学研究科
職位:博士課程学生
研究テーマ:イセエビの捕食による藻場の保全効果の解明
氏名:土屋尚輝
大学/所属機関:横浜市立大学附属市民総合医療センター 生殖医療センター
職位:博士課程学生
研究テーマ:妊娠率は8細胞期胚の細胞質で決まるのか? ─ タイムラプスから読み解く研究
氏名:野間智也
大学/所属機関:沖縄科学技術大学院大学
職位:博士課程学生
研究テーマ:「創って理解する」生物学を実現するために
氏名:林田健志
大学/所属機関:筑波大学/北海道大学 大学院
職位:博士課程学生
研究テーマ:プラチナフリーでブレイクスルー ─ 炭素触媒が拓く水素の未来
氏名:Bayasgalan Namkhai(バヤスガラン ナムハイ)
大学/所属機関:広島大学 原爆放射線医科学研究所 細胞修復制御研究分野
職位:博士課程学生
研究テーマ:Evaluating Individual Radiosensitivity in Head and Neck Cancer Patients to Advance Personalized Radiotherapy and Promote Peace through Science (頭頸部がん患者の個別放射線感受性評価による個別化放射線療法の推進と科学を通じた平和の促進)
氏名:Hermawan Rudy(ヘルマワン ルディ)
大学/所属機関:富山大学 医学部微生物学講座
職位:助教
研究テーマ:A paradigm shift in the prevention and treatment of Candida auris infections using the concept of bacterial skin microbiota antagonism (皮膚細菌叢拮抗作用の概念によるカンジダ・アウリス感染の予防と治療におけるパラダイムシフト)
氏名: 李嬌(リキョウ)
大学/所属機関:北海道大学 総合イノベーション創発機構/ 大学院メディア・コミュニケーション研究院
職位:特任助教
研究テーマ:SNS時代におけるウェルネス・ツーリズムの可能性を拓く
氏名:吉村怜
大学/所属機関:大阪大学大学院 工学研究科
職位:博士課程学生
研究テーマ:全世界で有用なジャイロ式波力発電装置の開発を目指して - 海の波も、失敗も、すべてを力に変える-
※受賞者の所属・職位・研究テーマは応募時の内容をもとにしています。
アカデミスト株式会社について(https://www.corp.academist-cf.com/)
アカデミストは、研究者が自ら情報発信を行うことで、資金・情報・人材等のリソースが循環する新しい形のアカデミアの創出を目指したベンチャー企業です。
2014年に日本初の学術系クラウドファンディングサイト「academist」をリリース。「研究者がいきる、私たちがつなぐ。」をミッションに、国だけではなく、民間企業、財団、個人などさまざまなパトロネッジが可能となる仕組みをつくるべく、さまざまな角度から、「研究者をつなぐ」事業を展開しています。
株式会社エマージングテクノロジーズ について(https://emerging.jp/)
エマージングテクノロジーズでは、博士人材(博士学生、博士号取得者等)に特化したキャリア支援、研究開発人材の採用支援に取り組んでいます。2005年に設立し、約1万人の博士人材が利用する自社サービス群を運営し、リーディングカンパニーからベンチャー・スタートアップ企業まで、業界・規模を問わず高い研究開発力を求める組織の採用活動を支援しています。また、国・大学・公的研究機関における博士人材育成を支援し、研究者が活躍する社会に貢献します。
・博士情報エンジンwakate
若手博士人材(30 歳未満の博士学生・ポスドク等)に特化したキャリア支援サービス
・博士情報エージェント
博士人材に特化した人材紹介サービス
・博士情報エンジンnote
博士になる人、なった人の『ちょっと気になること』を発信するオウンドメディア
エディテージについて (https://www.editage.jp/)
エディテージは、科学コミュニケーションズ&テクノロジー企業であるカクタス・コミュニケーションズのブランドです。2002年に創業し、英文校正、翻訳、文字起こし、出版支援サービスやAIプロダクトを通じて、2,000を超える分野において、300万人以上の研究者が学術誌に研究論文を発表する支援を行い、出版された論文はおよそ200万件に及びます。
カクタス・コミュニケーションズ株式会社について(https://cactusglobal.com/jp/)
カクタス・コミュニケーションズは、2002年に設立された科学コミュニケーションとテクノロジーの会社です。研究への資金調達、論文の出版、科学コミュニケーション、発見がより良くなるようなAI製品とソリューションを専門としています。同社の主力ブランドであるエディテージは、専門家によるエキスパートサービスと、Mind the Graph、Paperpal、R Discoveryなどの最先端のAI製品を含む、包括的な研究者向けソリューションを提供しています。また、カクタスはCactus Life Sciencesブランドの下で医療コミュニケーションもてがけています。現在は東京、プリンストン、ロンドン、オーフス、シンガポール、北京、上海、ソウル、ムンバイにオフィスを構え、3,000人以上の専門家を擁するグローバル企業です。また、職場におけるベストプラクティスのパイオニアとしてここ数年常に「働きがいのある会社」にランクされています。
- カクタス・コミュニケーションズ:https://cactusglobal.com/jp
- エディテージ:https://www.editage.jp
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