省エネ先進国ドイツなどヨーロッパで導入されている制度「エネルギーパス」を学ぶ講習会が1月20日、石川県庁(金沢市鞍月)で開催された。
同県と県建築住宅総合センターが交流を進めるドイツ・ハム市のエコセンターからマンフレッド・ラウシェン代表と技術部長ユルゲン・ファイトさんらを講師に招き、建築関係者ら約100人が「エネルギーパス」について理解を深めた。
「エネルギーパス」は建築物のエネルギー性能を算出し証明書を発行、その「省エネ度」を比較し優秀な建物を表彰する制度で、環境保全を目的とする。欧州連合(EU)諸国では同制度が既に導入され、不動産の売買・賃貸時に消費者に対し建築物のエネルギー性能を透明化する役目を果たしている。同講習会では同制度の基礎概念などが、事例を交えて解説された。
同県の庁舎は「環境にやさしい庁舎」をコンセプトに、省資源・省エネルギー・リサイクルを進めており、現在、同センターに「エネルギーパス」の作成を委託している。日本では、ドイツ国内の算定方式やプログラムを使用できないため、国際標準化機構(ISO)規格を基準に算定を行う。
国内で同制度を導入する場合、建築の計画段階での対応が重要となることから建築業者が評価方式に精通する必要があり、「エコ」に取り組む参加者は熱心に耳を傾けた。