金沢のギャラリーショップ&カフェ「コニーズアイ」(金沢市武蔵町、TEL 076-204-8431)で現在、企画展「ドイツのお香/伝統的な手作りの技法を継承する」が開催されており、約80年の歴史を持つHUSS(フス)一家が作り続けているお香やお香立てを展示・販売している。
HUSS社は、チェコとの国境近くのエルツ地方の小さな村ノイドルフで生まれた。1928年、現在のオーナーの祖父にあたるクルト・フスさんが「苦しい時代の中で、少しでも生活の足しにしたい」と良質な木炭に天然樹脂を加えたお香の製法を考案した。
1970年代、東ドイツの国営企業化のあおりを受け工場は一時閉鎖に追い込まれたが、2代目のジークフリードさんが父の製法を絶やさないよう地道にお香作りを続けた。東西ドイツ統一後の1992年に、孫のユルゲンさんが会社としてのお香の生産を再開。ドイツのHUSSファンを喜ばせたという。
3代に渡って引き継がれたのは、天然素材にこだわった伝統的な製法。バラエティーに富んだ商品構成で、エンジニアでもあるユルゲンさんがデザインした楽しいお香立てなどは、再び人気を集めるきっかけとなった。木炭、でんぷん、天然樹脂などを独自の方法で調合したお香は、煙が少なく自然でやさしい香りが特徴。
香りの種類は全11種、同社オリジナルの香りをはじめ、松やトウヒなどの木の香り、ビャクダン、ラベンダー、ライラック、シナモン、クローブ、かんきつ系(オレンジ)のほか、バニラやシナモンなどで作ったクリスマス風の香りなど。
店内には、最高級のお香「No.1」や虫よけ用のお香のほか、ストーブ(4,830円)、両手なべ(3,465円)、ケトル(5,880円)、ツリー(3,255円)など遊び心あふれるデザインのお香立てが並ぶ。
オリジナルシリーズのお香は、ピラミッドタイプが9センチ(3本入り)=630円、13センチ(1本入り)=1,260円。コーンタイプが3センチ(24個入り)=399円。
虫よけお香は、人体に無害な人工香料のオイルを木炭に加えて作られ、パッケージに描かれている虫におでこを刺された小人の絵が愛らしい。香りはライラック、クローブ、フレッシュの3種(各399円)。
営業時間は11時~18時。月曜・火曜定休。10月4日まで。