水の表情生かした絵とオブジェ的ジュエリー-金沢の金城尚矢さんが初個展

金城さんの水彩画とジュエリーを展示するスペース。白い壁面には鉛筆で直筆文字が書かれている

金城さんの水彩画とジュエリーを展示するスペース。白い壁面には鉛筆で直筆文字が書かれている

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 金沢市在住のアーティスト・金城尚矢さんの初個展「水彩と、ジュエリー」が現在、アートギャラリー&カフェ「彗星倶楽部」(金沢市桜町5、TEL 076-264-0088)で開催されている。

真ちゅうやガラス、鉄、木などを使ったジュエリー作品

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 金城さんは北九州市出身。今春、金沢美術工芸大学(油画専攻)を卒業した。同展では水彩画、ジュエリー、立体作品を発表。水彩画は、コーヒーとインクを使い指頭やティッシュペーパーの紙縒(こよ)りで「水」を描いた作品や、実家近くの竹林を水彩絵の具で表現した作品など9点を展示する。ジュエリーは、金やプラチナなどの貴金属を使わず、銀のほか木やガラス、真ちゅう、鉄など身近に存在する素朴な素材で仕上げたブレスレット、指輪、ネックレス、ピアスなど15点が並ぶ。

 「水彩画は水を表現した。絵の具が乾く前の水たまりや紙ににじんでいく様子など、人の手ではコントロールが効かない水の偶然性や表情に魅力を感じる。モチーフは特になく、ふと目にしたものに心引かれて絵筆をとった。写真で言えばスナップ写真のような感じ」(金城さん)。浅野川が眼前に流れ、窓から光が差し込みやわらかな陰の生まれる同店の町家ならではの雰囲気も考慮したという。

 ジュエリーは、日常生活に組み込まれている素材を再構成することで新しい価値を見出そうと試みたもので、実用性を備えた造形性を最大限に追求した実験的な作品群となっている。コの字型の銀線の両端に、極小のガラス玉を通した細い鉄線を張った指輪など繊細な品々を制作した。「物の価値は多面的で、人によっては金くずにしか見えないものであっても、見る角度、空間の文脈によって価値が変わる」(金城さん)。

 展示スペースでは、各作品の周りの白い壁面に金城さんが鉛筆で言葉を加えた。制作にあたって残すメモのようなもので、細く薄い文字が連なる姿に詩性を表現した。

 営業時間は11時30分~19時。月曜定休(9月21日は営業)。9月27日まで。

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