金沢21世紀美術館で「未完の横尾忠則」展-未発表作品など144点公開

作品を説明しながら行われた、横尾忠則さんと酒井忠康さんによる記念対談

作品を説明しながら行われた、横尾忠則さんと酒井忠康さんによる記念対談

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 金沢21世紀美術館(金沢市広坂、TEL076-220-2800)で開催されている「未完の横尾忠則」で、未発表作品を含む144点が展示されている。

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 同展のサブタイトル「君のものは僕のもの、僕のものは僕のもの」は、絵画・デザイン・映画・演劇・音楽・文学とジャンルを横断しながら、横尾さんが目にしたもの耳にしたもの、あらゆるものを自身に入力し、独自の流儀で変換・出力することを指す。世界像を変容する独特の芸術観を探検する内容となっている。さまざまなスタイルが混在する横尾さんのアートが、継続的に自由な形で芸術の「生の力」を生み出し続ける意味を込め、タイトルに「未完の」の文字が付けられた。

 横尾さんのアトリエに眠っていた未発表、未完成、落選作品の絵画や、長年モチーフにしてきた「ピンクガール」や「Y字路」、ルソーの作品複製、展覧会に先駆けて行われた公開制作の作品など、独創的な作品を展示する。

 横尾さんは国内外で数多くの個展を開催し、2001年には紫綬褒章を受章。近年は作家としても活動の幅を広げ、昨年は小説「ぶるうらんど」で第36回泉鏡花文学賞を受賞するなど、多岐にわたり活躍している。

 8月1日に行われた世田谷美術館館長・酒井忠康さんとの記念対談では、「Y字路」に魅せられ100点近く描いた作品の中に金沢の風景が含まれること、アイデアや心に留まったエピソード、夢に見たことなどを日記帳に書き続け絵画の題材にしていること、ライフワークともなっている滝についてのエピソードなどを披露。ルソー作品の模写について、横尾さんは「もっと上手にうそをつこうよ、ルソーさん」と始め、「夢見る作家と言われるルソーは自分にとっては悪夢の作品。それを引き出してみようと思った」と制作の動機を明かした。

 会場から寄せられた「横尾さんは年をとるごとに進化しているように見えるが、衰えを感じないのか?」という質問には、「少年の心をいかに持ち続けるか、芸術の核は幼児性」と答えた。

 期間中、9月13日は細野晴臣さんとの記念対談(先着80人)を行うほか、8月9・19・22・27・30日、9月2・5・9・12日には、横尾さんの作品を模写する公開制作「横尾工房」(募集人数は20人程度・参加費無料)なども予定する。

 開場時間は10時~18時(金曜・土曜は20時まで)。月曜休館。入場料は、一般=1,000円、大学生=800円、小中高生=400円、65歳以上=800円。11月3日まで。

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