金沢市の多目的スペース「コンセント」(金沢市小立野2、金沢大学工学部跡地前)で現在、パンクバンドTHE PUNKのインスタレーションアート展が開催されている。
THE PUNKは金沢美術工芸大学の学生、稲森大地さん(ギター・ボーカル)、吉田博さん(ベース)、奥田清崇さん(ドラム)の3ピースバンド。結成3カ月で、普段はライブを中心に活動を行っているが、「音楽とアートをつなぎたい」とアート展を企画した。
普段は劇団のけいこ場として使われている同スペースを「すべてを否定する空間」(吉田さん)に塗り替え、壁一面に新聞やチラシを貼った。「マスメディアや情報化社会をあざ笑う」(同)。片隅には「無気力な」(同)コタツとテレビを置き、大学という権威を風刺する試みも。会場のあちこちに「社会に対する思い」を問う質問表も掲示し、来場者が質問に対する答えをシートに書き込んで提出することで最終的にアートが完成する仕組みになっている。
稲森さんと吉田さんによれば今回の企画のテーマは「無為」。それを表現したのが中央に置かれている巨大なオブジェ。「自分を取り巻くもの、自分を守ってくれるものをすべて取り払って存在するシンボル。『無為』を言葉通りに受け止めれば何もしないことになるが、本来『無為』は絶対的な、揺るぎない真実を指している」と説明する2人。稲森さんにとっての「揺るぎない真実」は5月に亡くなったミュージシャンの忌野清志郎さん。吉田さんにとっては国際的に活躍する前衛芸術家・草間彌生さんだという。
開催時間は13時~19時。入場無料。7月3日まで。最終日の20時からはライブも行う。料金は500円(1ドリンク付き)。同展来場者へは同ライブの割引チケットを進呈している。