伝統工芸にこだわったハンドメード腕時計、人気に-金沢の工房が開発

文字盤に岩絵具を塗った「はなもっこ・こないろシリーズ」は桜色、淡口山吹など全18色

文字盤に岩絵具を塗った「はなもっこ・こないろシリーズ」は桜色、淡口山吹など全18色

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 金沢の時計工房「シーブレーン」(金沢市涌波1、TEL 076-260-7123)が昨年発表した腕時計「はなもっこ」が人気を呼んでいる。

「はなもっこ」を手にする製作者の牛島さん

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 13年にわたってハンドメードの時計を製作し続けている同工房の牛島さんは、金沢美術工芸大学の日本画専攻出身で、現在も東京と金沢を中心に個展を開催するなど、アーティストとしても活躍している。

 「はなもっこ」には、牛島さんの「日本の伝統的な絵画や工芸の魅力を多くの人に知ってもらいたい、身近に感じてもらいたい」との思いが込められている。文字盤は日本画で用いられる「岩絵具」で塗られたものが中心。接着剤として膠(にかわ)を岩絵具に混ぜ、手すきの和紙に幾重にも塗り重ねるという伝統的な技法にもこだわっている。このほか輪島塗の職人によるうるし塗りシリーズ、金箔をあしらったシリーズも。

 時計のベルトはベーシックな革製だけでなく、京都宇治の老舗「昇苑くみひも」が仕立てた草木染のくみひもを用いたストラップタイプもある。簡単に取り替えることができるため、女性3世代で一つの時計を共有したり、ファッションとのコーディネートを楽しんだりできる。「はなもっこ」は県が認定する平成21年度「石川ブランド(銅賞)」を受賞し、首都圏での展示会でも好評を得るなど、県内外で注目を集めている。

 同工房の時計は、時計のケースの部分を金属のバーから削り出したり、ベルト通しを溶接したりと、多くの工程を経て丁寧に製作される。従来からの手作りへのこだわりと、さらに「工芸」のエッセンスが加わった「はなもっこ」は、「より手仕事の繊細な味わいが伝わる商品になっているのでは」と牛島さん。今後は地元の伝統工芸とのコラボレーション商品や、ユニセックスタイプの開発を進め、新たなシリーズを展開していくという。

 「はなもっこ」の価格帯は22,155円~36,855円。実店舗では、サントリー美術館ミュージアムショップ(東京都港区)をはじめ首都圏での取り扱いが主で、金沢では加賀友禅を扱う「ゑり華タテマチ本店」(竪町)のみで販売している。

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