NPO法人「金沢アートグミ」が始動-アートで「人・まち・情報」つなぐ

オープニング企画の「村野藤吾×山本其」展

オープニング企画の「村野藤吾×山本其」展

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 金沢の芸術・文化を通して「人・情報・まち」をつなごうとNPO法人「金沢アートグミ」(金沢市青草町、TEL 090-8099-2497)が4月13日、全面開業した近江町いちば館隣の北國銀行武蔵ケ辻支店3階を拠点に本格的な活動を始めた。

アートグミがオープンした北國銀行武蔵ケ辻支店

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 中学・高校で同級生だった上田陽子さんと小森みゆきさんが、北陸3県の美術館やギャラリー情報を紹介するサイト「金沢アートグミ」を運用しながら、2006年から3年にわたり「金沢まちづくり市民研究機構」でアートによるコミュニケーションのあり方を研究してきた。その結果「美術館のアートをハイアートとするなら、地域住民や行政が情報の収集・発信・協働を行い、地域のアート文化を支えることが必要」と、同機構のメンバーが中心となりNPO法人を発足した。

 ネーミングの「グミ」は、「さまざまなものをつなぎ『組み』合わせる」「お菓子の『グミ』のように色彩豊かに不思議な感触を与える」とのいう思いを込めたもの。会員制で運営し、入会の条件は「活動の目的に賛同する」こととしている。美大教授やカフェのオーナー、地元伝統工芸の作家、金沢観光のボランティアガイドなど、さまざま立場の人が入会し、現在のメンバーは理事11人、正会員13人、賛助会員は160人に上る。今後は、美術展や地元作家による作品展の企画を手がけるほか、オリジナルグッズの開発などにも取り組む。

 オープニング企画の「村野藤吾×山本基」展では、同法人が拠点とする昭和初期の建物を設計した日本を代表する建築家・村野藤吾さんの当時の設計図やスケッチと、現代美術作家・山本基さんが塩を素材に制作したインスターレーション作品「桜」を展示している。床一面に塩で緻密な迷路を敷き詰める「迷宮」は山本さんの代表作として知られているが、「桜」は塩でかたどった桜の花びらを幾層にも重ねフォルムの柔らかさが特徴。「再開発が進む武蔵ケ辻を舞台に『ここにしかない空間』で『場・作品・人』が響きあうことを願っている」と小森さん。

 開館時間は10~18時。入場無料。7月12日まで。

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