金沢の演劇ユニットが福岡演劇フェス最終審査へ-GWに地元でプレ公演

金沢でのプレ公演に向けてけいこに励む出演者たち

金沢でのプレ公演に向けてけいこに励む出演者たち

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 金沢を拠点に活動するパフォーマンスユニット「F融合科学研究所」が5月22日・23日に開催される福岡演劇フェスティバル創作コンペティションの最終審査に出場することが決まった。出場を前に5月5日・6日、金沢市民芸術村ドラマ工房(金沢市大和町1)でプレ公演を行う。

金沢の演劇ユニットがチェーホフ作品で福岡演劇フェスに挑む

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 同ユニットは、総合演出を手掛ける本庄亮(まこと)さんと女優の澤田春菜さんで構成され、美術系のアーティストとのコラボレーションや共同制作に挑むなど、ジャンルを超えた新しいライブ作品を創作している。

 同演劇祭はNPO法人アートマネージメントセンター福岡が主体となって実施しており、今年で3回目。創作コンペティションは、演出家を有する団体が課題戯曲をそれぞれの演出や方法論で創作・上演するもので、書類審査、プレゼン審査を経て選出された3団体が最終審査に臨み、上演後の公開審査会で最優秀作品が決まる。今年の課題戯曲はロシアを代表する劇作家アントン・チェーホフの「プロポーズ」で、同ユニットのほかに東京の「柿喰う客」、福岡の「劇団爆走蝸牛」が選出された。

 本庄さんは昨年、チェーホフを題材に開催された「かなざわ演劇祭2008」で初めてチェーホフ作品を演出。これを機に同演劇祭の参加者と共に「演劇実験室」の名でチェーホフ作品を2カ月に1本のペースで上演している。「プロポーズ」は、地主の男性が隣り合う地主の娘に結婚を申し込もうとするが土地の境界や飼い犬のことなどで話がそれてしまい、大げんかを繰り返すという喜劇。本庄さんは「チェーホフの作品は、派手な事件はあまり起こらないが、生身の人間のことや、人間の本質が描かれている。この作品でも目の前の現実の方が強く、実世界を反映している。さらに役者が舞台に立って演じることでその戯曲が立体化される」とチェーホフ作品の魅力を語る。

 本庄さん、澤田さんはそれぞれ23歳と25歳で、金沢の演劇界を今後担っていく世代。「地方を拠点に活動しているユニットとして、どこにも負けない作品を作り外に発信していきたい。今回の演劇祭出場はその第一歩であり、地元の人からも応援してもらえるよい機会だと思う。私たちが積極的に芝居を続けていくことで、より若い世代で演劇を志す人々の夢や励みになればうれしい」(本庄さん、澤田さん)。プレ公演の入場料1,500円は、福岡までの旅費や製作費を補う「福岡公演応援金」として活用する。

 同公演の開演時間は5日=20時、6日=14時、18時。6日14時の回は公演後にトークタイムを設ける。

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