北陸先端科学技術大学院大学(石川県能美市旭台1)は2月から、本格的なカーシェアリングを導入している。公共交通機関が限られた山あいに立地する同大で、学生らがマイカーを所有する経済的負担を軽減するとともに、CO2排出を削減するのが狙い。
カーシェアリングは車を共同利用するシステムで、欧米諸国で1980年代後半から始まり、スイスではステーション数1,000カ所、車両1,750台、約6万人の組織に成長している。日本国内でも、街全体の車の走行量を減らし、CO2の排出抑制や交通渋滞の緩和に役立つと考えられ、企業やNPO法人、都市住民の間などで試行や運用が始まっている。
同大では、大学運営に関して教職員、学生から広く改善提案を受け付ける「e-BOX」制度を昨年から開始しており、カーシェアリングはこの制度を通じてマテリアルサイエンス研究科講師の川上勝さんが提案したもの。現在、カーシェアリング事業を展開する北星産業(石川郡)の協力を得て、軽自動車2台、普通乗用車2台の計4台をキャンパス内の駐車場に配置している。利用希望者は利用登録後、インターネットや携帯電話で予約し、専用のICカードで乗車する。利用料金としてICカード発行手数料と月額の基本料金のほか、利用する時間と距離に応じたレンタル料金が加算される。
同大広報によれば、カーシェアリング導入から1カ月をへて、利用登録者は数名にとどまっているというが、これは在学生が既にマイカーを所有しているため。同大では4月以降、新入生の積極的な利用を見込んでいる。