障害者の就業や余暇活動を支援するNPO法人「オープンハウス・クローバー」が昨年12月、テークアウトのドーナツ専門店「ハッピードーナツ」(金沢市小立野3、TEL 076-264-9272)をオープンし、近隣の主婦らでにぎわっている。
同店のドーナツは、生地をこねるところから1個1個が手作り。安心・安全・ヘルシーにこだわり、ベーキングパウダーはアルミニウムフリーのものを使用。安定剤や乳化剤など食品添加物の使用もできる限り避けているといい、甘さもかなり控えめにした。
商品開発に携わった代表の蓑(みの)桂子さんは「甘いものが好まれる中、始める時はこの味が受け入れてもらえるか心配だった」と話すが、客からは「さっぱりしていておいしい」と評判は上々。リピーターも多いという。ドーナツはプレーン、ココア、抹茶、ストロベリー、チョコの5種類(各120円)で、毎日150個の限定販売。連日、閉店時間を待たずに売り切れるという人気ぶりだ。
同法人は2002年に障害者の小規模作業所を開設し、箱折りの下請作業などをしている。しかし工賃は年々下降しており、業量も不安定なことから、「障害者の工賃を少しでも上げたい」(蓑さん)とドーナツ店経営に乗り出した。現在は同法人のスタッフがドーナツを製造、販売しているが、今後は障害者もチラシ折りや掃除などで店を手伝っていく。
障害者と来店客があいさつし合うなど、自然なふれあいも見られる。「この店を通じて、障害のある人とない人が地域で共生していくことの大切さを知ってほしい」と語る蓑さん。利益は、落ち込む障害者の作業工賃などに補てんしていく。
営業時間は11時30分~17時(売切れ次第閉店)。土曜・日曜・祝日定休