俳優の石原良純さんが9月28日、金沢駅もてなしドーム地下広場(金沢市木ノ新保町)で始まった「地図展」で講演を行い、地図の魅力を話した。
地図を通して国土や地域についての理解を深めることを目的に、毎年全国の各都市を巡回している同展。石原さんは2022年に一般財団法人「日本地図センター」(東京都目黒区)の地図大使に就任し、地図の面白さや役割などを広く伝えている。会場の広場には特設ステージを設け、講演には150人ほどが集まった。
気象予報士でもある石原さんは講演で、「天気図の等圧線から空気の動きを読むことと、地図の等高線から地形を読むことは、想像を巡らせながら次に起きることを予測するという点で同じ」と話す。「先日、能登で豪雨災害が起きたが、異常気象で今までになかったことが起きている。天気図から危険を察知するのと同じように、地図から危険を予測することも重要になってきた」とも。
金沢マラソンにも参加したことがあるという石原さん。「街をジョギングしている時は、頭の中にある地図をよりどころに走る。お気に入りの場所や好きな風景を自分で見つけることに喜びを感じる。帰ってから地図で確認したり調べたりするのも楽しい」という。
基調講演では、金沢星稜大学特任教授の本康宏史さんが「古地図で楽しむ金沢 加賀藩の城下図プロジェクト」と題して、高度な測量技術で正確な地図を作成した加賀藩の武士・遠藤高●(たかのり)の功績を解説した。(●=王へんに景)
会場には、国土地理院が4月に空撮した金沢市の3000分の1縮尺の高解像度写真を床に敷いた9メートル×6メートルの展示があり、来場者は写真の上を歩いたり、しゃがんで自宅を確認したりしていた。パネルでは江戸時代の金沢の古地図や、能登半島地震の災害対応で行った空撮や地殻変動計測などを紹介。石原さんは「説明員の解説を聞くと理解が進むので声をかけてみて」と呼びかける。
開催時間は10時~18時(最終日は17時まで)。10月6日まで。