![ギャラリーに展示した輪島塗を紹介する大藤良介さん](https://images.keizai.biz/kanazawa_keizai/headline/1712549196_photo.jpg)
輪島の大藤漆器店(輪島市)が4月6日、金沢に輪島塗のギャラリー「漆の郷 大藤」(金沢市神谷内町ハ)をオープンした。輪島の店にあった商品を展示販売する。
同店は能登半島地震で全壊は免れたが、商品の半数近くが破損した。水道や交通など課題が多く、輪島での事業継続をいったん断念して金沢市内に仮の拠点となるスペースを確保し、残された商品を運び込んだ。輪島の店の半分程度の広さだという1階ギャラリーは自分たちで壁のペンキを塗り、商品を並べた。3階には避難している職人が作業できるスペースも用意し、全国に商品を配送する業務などもここで行う。
店主の大藤良介さんは「輪島の町は仮設住宅が建ち並ぶなど様子が一変した。今は店の一部をボランティアの人たちに貸している」という。週2~3日は輪島に通い復興を手伝っているほか、仲間の店と共同で輪島塗の再興に向けた資金をクラウドファンドで集めるプロジェクトも進めている。「父から漆器店の事業を受け継ぐという年の始まりに受けた震災で、マイナスからのスタートとなった。何年かかるか分からないが、輪島を復興させ、必ず戻りたい」と話す。
営業時間は10時~18時。毎週水曜と第1第3日曜定休。