加賀野菜の一つ、タケノコが最盛期を迎え、産地の金沢市・内川地区の直売所は、朝早くから旬の味を求める地元客などでにぎわっている。
【VRで読む】金沢・内川のたけのこが最盛期 3年ぶり「内川たけのこ祭り」も
「たけのこ直売所 髙野」(別所町)を祖父母の代から家族で営む髙野勝志さんは、毎朝5時から竹やぶに入り、タケノコを収穫する。山の斜面からきれいに掘り出すのは重労働で技術と経験が要るため、この時期は一家総出で手伝っている。朝8時には、朝採れの新鮮なタケノコが店頭にずらりと並び、「たけのこご飯」なども販売している。勝志さんによると、皮が全体的に白っぽく薄い色のものは土に埋まっていた証拠で、大きくても身が柔らかいという。内川地区の中でも「別所のタケノコ」は、ブランドのようになっており、県外の知人などに発送する人も多い。勝志さんは「別所は粘土質で、良いタケノコが育つ。あく抜きがほとんどいらず、甘みがある。今年は表年で値段も手頃。食べてもらいたい」と笑顔で話す。
金沢市によると、石川県内で生産される9割が金沢産であり、加賀野菜に認定している。全国でも最も北に位置する産地で、えぐみが少なく、みずみずしくて柔らかいのが特徴。今年は豊作といわれる「表年」に当たる。JA金沢市筍(たけのこ)部会によると、「表年」の出荷量は、「裏年」の倍以上となり、今年は約450トンを見込んでいる。5月中旬ごろまで味わえる。
今年は、コロナ禍で休止していた「内川たけのこ祭り」も3年ぶりに開催される。感染予防のため会場に飲食スペースは設けないが、タケノコ、山菜、総菜などの販売のほか、タケノコ堀り体験などのイベントも実施する。内川たけのこ祭り実行委員会は「当日700から800キロのタケノコを用意する。自宅でタケノコ料理を楽しんでもらいたい」と話す。
「内川たけのこ祭り」は5月4日10時~13時、内川公民館(三小牛町)で開かれる。当日は平和町から会場直通の無料送迎バスも運行する。問い合わせは「内川たけのこ祭り実行委員会」(TEL 076-247-2263)まで。