金沢のギャラリー「sklo(スクロ)」(金沢市香林坊2)で9月10日、北陸工芸の祭典「GO FOR KOGEI(ゴーフォーコウゲイ)2021」がスタートした。
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昨年に続いて2回目の開催となる同イベント。今年は北陸3県の重要文化財3カ所での展示のほか、金沢では同ギャラリーとレンタルスペース「Noetica(ノエチカ)」(下本多町)で「デザイン化する工芸」を切り口に開催。13人のディレクターと、北陸の工芸作家や職人がタッグを組み、「こんなものがあったらいいな」という視点で制作した製品を展示する。
主に空間デザインを手掛ける建築家、鬼木孝一郎さんがディレクターとなり、金工作家の竹俣勇壱さんと共に作った「灯箱(あかりばこ)」は、どこにでも持ち運べるLED照明。ふたの角度は調節でき、光の当たり方で表情が変わる金属の特性を楽しむことができる。1回の充電で24時間点灯が可能で、災害などの緊急時にも優しい光をともすことで、少しでも豊かな時間が過ごせるようにと制作したという。
ほかにも、越前和紙に撥水(はっすい)加工を施して仕立てたコートやワンピース、九谷の伝統的な置物である「獅子」を博多人形作家と共に現代風にアレンジした香炉など、異業種がコラボレーションすることで生み出された「新しい工芸のかたち」を見ることができる。併せて、完成に至るまでのプロセスをスケッチや型、動画などにより紹介する。
コーディネーターの齋藤雅宏さんは「『大量には作れないけれど、質の良いものを欲しい人に届けることができる』という工芸は、今の時代のニーズにも合う。コラボレーションによりお互いが刺激を受けることで、新しい工芸の在り方の可能性を探ることができれば」と話す。
開館時間は11時~19時。火曜休館。料金は、金沢2会場の共通入場券=1,000円、全5会場を回れる共通パスポート=3,000円。10月24日まで。