三重県在住の彫刻家、はしもとみおさんの「動物彫刻展」が7月15日、しいのき迎賓館（金沢市広坂2、TEL 076-261-1111）で始まった。

【VRで読む】しいのき迎賓館で、はしもとみおさんの動物彫刻展

　毎年夏休みの期間に合わせ、親子で楽しめるイベントを行っている同館。今年は、「本物そっくりに彫り込まれた動物たちのさまざまな表情やしぐさから、命の輝きを感じてもらいたい」と同展を企画した。会場で撮影した写真をインスタグラムに投稿すると、抽選でプレゼントがもらえる企画も合わせて実施している。入り口正面には来場者をじっと見つめる犬の姿があり、最初に目を合わせることで、おもてなしの心を感じてもらいたいという。

　木彫りを中心に、絵画など150種類を展示。会場が「迎賓館」ということから、テーマを「動物たちのパーティー」とし、「来場者が森の中に訪れたかのような気持ちになってもらえるよう、演出にも工夫を凝らした」と同館事務局の岩田典子さん。会場いっぱいに生木やドライフラワーを並べ、窓越しには天然記念物に指定されているシイノキが見えるようにし、館内外をつないで広がりのある空間にした。

　はしもとさんは幼い頃から動物が好きで、獣医師になる夢を抱いていたが、15歳の時に、阪神淡路大震災を経験。命に向き合う中で、「失われた命を取り戻すことはできなくても、生きた証しは残していける」と木彫り作家になることを決意した。別室では宇宙に初めて行った犬、クドリャフカをモデルに制作した犬を展示している。

　はしもとさんは「展示されている子たちは全て、亡くなった子も含め、すべて実在する動物たち。展覧会を見て、自分が飼っている子を抱きしめたくなってもらえたらうれしい。目に見えるものの美しさをあらためて感じられるきっかけになれば」と話す。

　開催時間は10時～18時。料金は一般＝600円、小中学生＝400円。8月15日まで。