「気軽にアジアの音楽を楽しめる」ことをコンセプトに、日本・中国・韓国・台湾の音楽家が一堂に集った「アジア音楽祭かなざわ2008」が11月1日~3日、県立音楽堂を中心に金沢駅周辺で開催された。
今年のゴールデンウィークに開催された、ヨーロッパで絶大な人気を誇る音楽祭の金沢版「ラ・フォル・ジュルネ金沢」の来場者が約8万4千人に上り大盛況だったことを受けて石川県音楽文化振興事業団が企画したもの。
朝から夕方まで総勢430人が出演する35公演は、1公演あたりの入場料が最高1,500円までと音楽を気軽に楽しめるスタイル。6月に小松-台北便が就航し、アジアとの距離が近くなったのを機に音楽を通じてさらに交流を深めようとの狙いもある。アジアを代表する音楽家の演奏を聴くため、会場をハシゴする家族連れや買い物のついでに足を止めて音楽に聴き入る人の姿も多く見られた。
会場は県立音楽堂の3ホールと金沢駅のコンコースを中心に開かれ、中でも駅のコンコースは無料とあって多くの人でにぎわった。沖縄の民族音楽グループ「太陽人(てぃーだんちゅ)」は「島唄」や「涙そうそう」など、なじみ深い曲を三線(さんしん)や沖縄の太鼓で奏で、民族衣装をまとったメンバーが南国ムードたっぷりの舞踊で会場を盛り上げた。中国からは、蘇州出身のテノール歌手・李広宏さんが「千の風になって」などを日本語と中国語で歌い、韓国からは「いしかわミュージックアカデミー」の受講者による若手トリオがバイオリンやピアノの演奏を。台湾からは高雄でも高く評価されている南台湾の専業楽団が演奏を披露した。訪れた人は「駅から歩いて回れる範囲にたくさんのコンサートが開催されていて、いろいろなアジアの音色を1日で気軽に楽しめるのが楽しかった」と話す。
期間中、アジアの多様な楽器を使った演奏会やワークショップも開かれたほか、インドカレーやタイのスイーツなどアジアの料理を楽しむ屋台も出店され、アジアの音楽に染まった秋の3日間を、多くの人が楽しんだ。