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広坂に現代アートの私設美術館「KAMU kanazawa」街の活性化にも期待

イギリスの現代アーティスト、ステファニー・クエールの作品

イギリスの現代アーティスト、ステファニー・クエールの作品

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 現代アートの美術館「KAMU kanazawa」(金沢市広坂1)が6月21日、金沢21世紀美術館から徒歩3分の場所にオープンした。

アートコレクターである館長の林田堅太郎さん

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 初年度は「The power of things」と題し、イギリスの作家、ステファニー・クエールさんの作品や、岐阜県在住の桑田卓郎さんの作品を展示。コレクション作品という強みを生かして、通常の展示ではありえないような大胆な場所にも設置するなど、展示方法も魅力の一つになっている。来月中旬からは、金沢21世紀美術館の顔でもある「スイミング・プール」で知られるアルゼンチンの作家、レアンドロ・エルリッヒさんの大型インスタレーション作品の設置作業が始まり、8月上旬には正式公開される予定。

 館長の林田堅太郎さんは、学生時代に金沢で過ごした経験から、現代アートへの理解や関心が高い金沢の環境などに可能性を感じていたという。訪れた人がアートについて語り共有できるコミュニケーションの場を作りたいと、私設美術館の設立を決意した。

 資金の一部はクラウドファンディングを利用。新型コロナウイルスの影響で準備が思うように進まない中、目標額の14倍となる420万円以上が集まり、多くの応援メッセージも林田さんの励みになったという。

 林田さんは「構想から8カ月、スピード感を重視して進めてきた。現在2館目を竪町に建設中で、近い将来には徒歩や自転車で回れるような距離に10館のネットワークをつくる目標を掲げている。観光地をバスで周遊するのではなく、その間の地点を巡ってもらうことで路地裏にさまざまな店が点在する金沢の街の魅力を知ってもらいたい。街なかを回遊する人の流れをつくり、金沢の活性化に貢献したい」と語る。

 今後の企画展では、力のある若手作家を中心に紹介するほか、キュレーターの企画コンペも構想しており、日本のキュレーターを育てる活動も行っていく。

 開館時間は11時~18時(金曜・土曜は20時まで)。月曜定休。入場料は800円。

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