「国際ガラス展・金沢2019」が10月30日、「石川県政記念 しいのき迎賓館」(金沢市広坂)で始まった。
【VRで読む】しいのき迎賓館で開催されている「国際ガラス展・金沢2019」
今回で14回目を迎える同展は、1984(昭和59)年に始まり国内公募展などを経て、1988(昭和63)年には世界唯一のガラスの国際公募展へと拡充した。これまで世界約40カ国と地域から多数の作品が寄せられ、「世界のガラスシーンの今を展望する」展覧会として注目されている。
大賞を受賞したのは富山県在住、津守秀憲さんの作品「胎動’19-3」。多摩美術大学を卒業後、金沢に活動拠点を移し現在は富山ガラス造形研究所で助手を務める。ガラスと陶土の混合焼成という独自の技法による作品は一見ガラスに見えない素材感で「ダイナミックな大地の動きや躍動感を感じる」として高い評価を受けた。
金賞は、田上惠美子さん・拓さん(大阪府)の作品「散華(サンゲ)」。バーナーワークをたくみに使い、透明感のあるガラスの角柱に花びらを模した繊細なパーツを組み合わせ詩的な世界観を作り出した。会場には入賞と入選の作品57点が並ぶ。
今回は39の国と地域から357点の作品が寄せられ、1次審査を通過したのが約6分の1という狭き門となった。色や造形以上にガラスという素材にどのような表現の可能性があるかを追求した作品が多かったという。
事務局を務める県デザインセンターの遠藤信広さんは「入賞作品には北陸在住の若手作家の力強い作品も多く、ガラスという素材の新たな一面を展覧会で発見してもらえれば」と話す。
開場時間は10時~18時(最終日は17時まで)。11月11日まで。巡回展として12月7日~来年2月16日、「石川県能登島ガラス美術館」(七尾市)で「国際ガラス展・金沢2019 in 能登島」を予定する。