JR金沢駅近くの「イオンシネマ金沢フォーラス」(金沢市堀川新町3)で1月23日、外国人向けの映画試写会が開催された。
上映したのは青春映画「金沢シャッターガール」。漫画「東京シャッターガール」の作者・桐木憲一さんが金沢を舞台に描く、同名漫画が原作となっている。北陸新幹線開業をきっかけに変わりゆく金沢と、変化の中で変われない、変わりたいという思春期の葛藤を重ねて描いた。
同作は全てのシーンを石川県内で撮影しており、ひがし茶屋街や北陸鉄道・石川線、内灘海岸など「県内や古都金沢の、どこにでもあるような懐かしい風景」が多く登場する。今回、「外国の方から見る石川の魅力を、少しでも多くの方に拡散してもらいたい」と、県内在住の外国人を招待した「インターナショナル試写会」を開いた。邦画を英語字幕版で上映する外国人向けの試写会は、県内初の試みとなる。
当日は18カ国の外国人64人が参加した。上映中、高校生同士のぎこちないデートシーンや、友人に彼氏ができたことに花菜が動揺するシーンなどコミカルな場面では笑い声が上がり、終了後には拍手が起こるなど、終始和やかな雰囲気が流れていた。
夫婦で金沢に住む、インドネシア出身のムティさんは「ストーリーもよく理解でき、見ている人を裏切る場面には驚かされた。邦画は東京や大阪など都会の風景ばかりというイメージだったが、この映画は本当の日本、普通のまち並みを描いていて良かったと思う」と話す。アメリカから金沢にホームステイ中の大学生ホープ・フーパさんは「来日して8カ月だが、金沢の景色やまち並みは他の都市と比べてもとてもきれい」と笑顔を見せた。母がインドネシア出身の、市内中学校に通う女子生徒は「主人公と年も近く、話がリアルで面白かった」と感想を語った。
同作は2月3日から石川県内の映画館7館で、9日から「ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場」(東京都港区)で公開予定。