街の「いきいき度」を色分け診断-アトリエ・ワンがプロジェクト始動

塚本さんと貝島さんがプロジェクトを説明

塚本さんと貝島さんがプロジェクトを説明

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 場と人とがつながり合って「いきいき」とする空間にあふれた街-。半年後の金沢に思いを馳せて、建築家の塚本由晴さんと貝島桃代さんによるユニット「アトリエ・ワン」が「いきいきプロジェクトin金沢」を4月1日から開始した。

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 プロジェクトは、「街は、空間と使う人の思いが合致してこそいきいきとする」というアトリエ・ワンの考えに基づき、金沢21世紀美術館(金沢市広坂1、TEL 076-220-2800)が主催する。

 期間中、アトリエ・ワンのメンバーが金沢工業大学の学生らとともに金沢市内を探検して街の「いきいき度」をサーモグラフィーのように色分け診断し、一方で街の中で活動する人々の映像CMを制作するなどの活動を重ねた上で、建物の改装や家具づくりなどを通して空間づくりを提案する。家具の制作やCMの映像編集は金沢21世紀美術館プロジェクト工房で行われ、同館の長期インスタレーションルームでは、「黒板地図」を使ったワークショップが開催されるほか、グループ活動紹介のCMが上映される。

 塚本さんは「20世紀は新しいものをつくってきた生産の時代だった。20世紀がやり残したこと、気づかなかったことを課題として21世紀につなげていきたい。金沢は、古い町並みが残って歴史が感じられる一方、新しい建物も存在する魅力的な街。個人ではどうにもできない豊かさを持っている。古い家はまるで庭のような存在で、建物も含めた庭園都市のよう。そこに新しいことが起きそうな気配を感じる。金沢の宝を生かしながら、自分が持っている金沢に対する期待に、自分たちが応えられるようにしていきたい」と話している。

 開始日となる4月1日には、アトリエ・ワンがこれまでに制作した作品「スクール・ホイール」と「ファーニ・サイクル」が公開された。日本初公開となる「スクール・ホイール」は昨年韓国の釜山で開催されたビエンナーレのために制作された車付き教室で、黒板やテント、照明器具を備えた屋台に椅子やテーブルが収納されており、「どこでも教室、だれでも先生」をコンセプトに移動先で青空教室が実施できる。今後、プロジェクトでの活動のほか街中や広場、夏祭りなどでも使用していく予定だという。金沢21世紀美術館の所蔵作品「ファーニ・サイクル」は家具と自転車が合体した作品で、上海で制作された。また、長期インスタレーションルームでは、黒板地図に金沢市中心部の桜や花見の情報を書き込むワークショップが始まり、黒板は同ルームに展示されている。

 同プロジェクトは9月17日まで実施される。

金沢21世紀美術館

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