石川県立美術館(金沢市出羽町、TEL 076-231-7580)で現在、画家・河鍋暁斎(かわなべきょうさい)の作品を紹介する展覧会「これぞ暁斎!」が開催されている。
【パノラマVR】石川県立美術館で開催中の展覧会「これぞ暁斎!」
幕末から明治維新の激動期を生きた暁斎(1831~1889)にスポットを当てる同展。暁斎のファンで世界屈指の所蔵家として知られる英国のイスラエル・ゴールドマンさんの協力により、日本初公開の60点を含む約180点を展示する。東京・高知・京都から金沢への巡回展で、展示内容は高知展と同様。
当代一の絵師として活躍した暁斎は、幼い頃に浮世絵師・歌川国芳に入門した後、狩野派に学び19歳で修業を終えた。さらに土佐派、円山四条派、西洋画まであらゆる様式を探求しながら独自の作風を築いた。動物や妖怪、浮世絵から戯画まで自在に描き、現代に通じるユーモアあふれる感性が注目されている。
「百鬼夜行図屏風」は右隻で無邪気に戯れ、左隻では突如光る物体に驚いて逃げる妖怪を描く。室町時代の土佐派絵師による絵巻物「百鬼夜行絵巻」が有名。「動物の曲芸」は暁斎が得意とする動物戯画で、猫やネズミなどの動物が曲芸を披露する様子が愛らしく表情豊かに描かれている。
主催する北陸中日新聞事業部の鶴見啓太さんは「各作品ともユーモアがあり現代に通じる魅力がある。『百鬼夜行図屏風』は順路の最後となる会場で目に飛び込んでくるよう配置した。来場者には若い女性も多く見られ、夏休み期間は家族連れも増えるのでは」と話す。
観覧料は、大人=1,200円、高校・大学生=900円、小中学生=600円、未就学児無料。8月27日まで。